2014春の新アニメ感想
もう5月も半ばですがようやく新番組初回チェック終了。
4月末~5月頭にかけて予定が埋まっていたこともあり、後回しにした数本を見るのに手間取りました。OVA・劇場作品のテレビシリーズ化や海外作品、短編作品など色々あるとはいえ総数60本は多すぎだ。
ざっと前期終了作品の総括。良かったのは『ガンダムビルドファイターズ』『キルラキル』『ノラガミ』辺り。予想外なところでは『バディ・コンプレックス』。絵以外はタイムリープSFとして手堅くまとまっていた(パラドックスは解消できてないけど)。キャラ&メカデザインがちゃんとしてたらもう1段化けてたろうに。
残念な出来だったのは『ウィザード・バリスターズ』。法廷物なのに法廷描写が酷くてはどうしようもない。梅津絵だけが魅力の作品なのに作画崩れの回が多いのも痛い。『サムライフラメンコ』は作品規模を肥大化させていく流れが面白さに繋がらず。最後が個人に収束するなら序盤の地に足がついたヒーロー物で通した方が良かった。
では今期の初回チェック。
【日曜日】
【月曜日】
【火曜日】
【水曜日】
【木曜日】
【金曜日】
【土曜日】
見ても見ても、感想を書いても書いても終わらないと思ったら総数60本もあったという。疲れた。心底疲れた。1クール作品中心の今のアニメ業界の弊害が今期は一気に押し寄せたって感じ。
今期は「そこそこ見れる」というレベルが多い印象。作品数が少なければ見続けていたかもしれない作品もちらほら。ただその分、設定や物語などを「テンプレ」と感じる作品が多かったのも事実。なのでそこにその作品なりのプラスαがあるかどうか。個人的にはキャラに血肉が通っているかどうかが大きかった。
あとは個人的には子供向けアニメが豊作で楽しめたのが良かった。近年は販促優先な内容のホビーアニメが多かったけれど、今期は『マジンボーン』『テンカイナイト』『ヒーローバンク』などどれもまずはアニメありきの作りで、昔の玩具スポンサー中心の頃のアニメ黄金時代のよう。是非ともこの傾向で成功してほしい。
4月末~5月頭にかけて予定が埋まっていたこともあり、後回しにした数本を見るのに手間取りました。OVA・劇場作品のテレビシリーズ化や海外作品、短編作品など色々あるとはいえ総数60本は多すぎだ。
ざっと前期終了作品の総括。良かったのは『ガンダムビルドファイターズ』『キルラキル』『ノラガミ』辺り。予想外なところでは『バディ・コンプレックス』。絵以外はタイムリープSFとして手堅くまとまっていた(パラドックスは解消できてないけど)。キャラ&メカデザインがちゃんとしてたらもう1段化けてたろうに。
残念な出来だったのは『ウィザード・バリスターズ』。法廷物なのに法廷描写が酷くてはどうしようもない。梅津絵だけが魅力の作品なのに作画崩れの回が多いのも痛い。『サムライフラメンコ』は作品規模を肥大化させていく流れが面白さに繋がらず。最後が個人に収束するなら序盤の地に足がついたヒーロー物で通した方が良かった。
では今期の初回チェック。
【日曜日】
- 『暴れん坊力士!! 松太郎』(テレ朝/朝6:30)
ちばてつや原作の相撲漫画「のたり松太郎」のアニメ化。日曜朝に合わせて健全化。昭和をそのまま舞台にしているけどデジタルのくっきりした画も相まって雰囲気はイマイチ。松平健の吹き替えも浮いていて酷い。主人公の声がまともならここまでつまらなく感じなかったかも。原作は昔読んでたけど持ち味の泥臭さがない今回のアニメ化には首を捻る。深夜アニメ向け企画だったろうに。
- 『ドラゴンボール改[2期]』(フジ/朝9:00)
過去のテレビシリーズを原作準拠で再構成するリマスター版の3年ぶりの続編。前回ラストから7年後を舞台にした魔神ブウ編。悟飯の学園生活部分が好きなので当然ながら編集されて短くなったこととビーデルの声が変わったのはちと残念。この頃は作画も良くてテンポが良くなったことで今の目で見てもいい感じ。
- 『ハイキュー!!』(TBS/夕方5:00)
中学の大半をたった1人のバレー部員として過ごした主人公。背は小さいが驚異的な瞬発力を持ち、惨敗した中学最後の試合での相手校のセッターと再び対戦することを誓い高校に入学するが、そこにはあの時のセッターもいた……てなジャンプ原作バレーボールアニメ。人物配置や構成はいかにもジャンプ作品って感じ。勢いや葛藤などそれぞれのキャラ描写がしっかりしていて物語運びにも無理がなく、素直に楽しめる。
- 『ベイビーステップ』(Eテレ/夕方5:30)
几帳面なノートを作ることに拘る成績優秀な高校1年男子が主人公。運動不足解消のため地元のテニスクラブの無料体験に参加するとそこには同級生の女子もいた。プロを目指しているという彼女の言葉に心を動かされ……てな初回。いかにもマガジンらしいキャラ立ては個人的には肌に合わない。会話や物語の段取りが固く予定調和から外れないため面白味がない。何か既視感があると思ったら進研ゼミの漫画のノリだ。
- 『遊☆戯☆王 ARC-V』(テレ東/夕方5:30)
(BSジャパン/金曜夕方5:00)
遊戯王シリーズ第5作目。質量を持つソリッドビジョンの実現により生まれたモンスターとデュエリストが一体となった《アクションデュエル》。勝負を逃げたと噂される元チャンプを父に持つ主人公は当時の対戦相手とのエキシビジョンマッチの申し出を受けた……。フィールドをモンスターに乗り駆け回ることでカードバトル物の固まった構図からの脱却を計っているようだけど、カードの説明テンポが変わらないので印象も特に変わらず。門外漢にはやはり面白くはない。
- 『極黒のブリュンヒルデ』(MX/夜10:00)
(BS11/月曜深夜3:00)
幼い頃に「黒猫」と呼んでいた幼なじみの少女を事故で死なせてしまった主人公。高校生になった今も彼女と約束した宇宙人を探すため天文部で夜空を見上げる日々。そんなある日、黒猫似の少女が転校してきた。彼女は主人公の死を予知し、実際に土石流が主人公を襲った……てな初回。序盤はまたぞろありがちな設定・展開でダレたけど、終盤で転校生のうなじに埋め込まれた機械などその正体の一端が判明する辺りでキャラが活きだして次回に興味が繋がった。2話目でそんな少女たちが組織から逃げている展開が判明。『エルフェンリート』の作者らしいグロさは表現規制や凡庸な作画で中途半端。あとは暗さが深みとなるようならいいけど。
- 『召しませロードス島戦記』(MX/夜10:27)
ロードス島戦記の素晴らしさを広めるために学園祭で劇をやるとかいう3分枠ギャグアニメ。同枠前作の『ファルコム学園』と似たような2次創作作品で面白くもなんともない。
- 『ラブライブ![2期]』(MX/夜10:30)
(BS11/火曜深夜0:00)
廃校の危機を乗り越えたところから始まる2期。生徒会長になった主人公が新たなラブライブに出場しないでいいと思った理由付けが浅くてドラマにもなっていない初回。萌えを求めるファン向け。
- 『ブレイクブレイド』(MX/夜11:00)
(BS11/火曜深夜0:30)
魔力を主エネルギーとする異世界で魔力を持たない主人公。かつての親友である国王に呼ばれるが、別の親友が敵となり国家間の争いをしていると知る。その戦いの最中、魔力では動かない古代ゴゥレムと呼ばれるロボットに主人公が偶然乗り込むとそれは起動した……。全6作の劇場アニメをテレビアニメに再構成しているので作画はさすがに安定している。物語自体は王道のよくある話で特に惹かれるところはないが世界観が気に入れば楽しめると思う。
- 『キャプテン・アース』(MX/夜11:30)
(BS11/日曜深夜3:00)
父親が宇宙の事故で亡くなっている主人公。幼い日のとある少年との出会いの記憶を追って種子島へ。その頃、宇宙では謎のロボットの攻撃が。かつて少年と出会った施設の地下で謎の少女が主人公を導く。そして彼は宇宙へと飛び、巨大ロボットへと換装された……という初回。作画で見せるボンズらしい雰囲気アニメ。初回は色々詰め込むためにカットを繋げただけに終始した感がある。玩具化の無いスーパー系チックな見た目の変形合体ロボットでシリアスチックなSFをやっていることにチグハグ感を感じるけど、売りをいくつも詰め込むのは仕方ないか。『エウレカ』とか好きなら楽しめそう。
- 『一週間フレンズ。』(MX/深夜0:00)
(BS11/日曜深夜0:30)
いつも1人でいるクラスメイトの女の子と仲良くなりたいとアタックする主人公。段々、彼女との距離が近づいていくが、週末に突然今までのことを無かったことにして欲しいと言われ戸惑う。実は彼女は友達との記憶が1週間でリセットされ消えてしまうのだという。半信半疑だったが翌月曜日に彼女は先週の思い出を無くしていた……。きっかり1週間まとめてリセットとか友達との記憶だけ無くすという限定的設定が気になるけど、物語はしっかりラブコメしていて雰囲気は悪くない。このせつなさを維持していくなら。原作の4コマみたいなノリはいらない。
- 『彼女がフラグをおられたら』(MX/深夜0:30)
(BS11/水曜深夜3:00)
他人の頭の上に《フラグ》が見える男子高校生。彼は他人の死亡フラグや恋愛フラグをことごとく折って他人と距離を置く生き方をしていたが、ある日、どんなに折ってもフラグが復活する女子が現れ……な初回。いかにもなラノベ原作のありがちなネタ。ひと昔前のギャルゲーみたいなもっさりしたキャラデと制服。フラグにまつわるやりとりも新味がない。これらの古臭さを好めばこれから山のように出てくるヒロインを楽しめるのかも。
- 『健全ロボ ダイミダラー』(TVK/深夜1:30)
(テレ玉/日曜深夜1:30)
(BS11/月曜深夜3:30)
人類に迷惑をかけるペンギン帝国の攻撃に対抗できるのはハイエロ粒子をエネルギー源とする巨大ロボ《ダイミダラー》のみ。エロに邁進する男子高校生はそのパイロットとして選ばれ、パートナーのヒロインの胸を揉みまくり戦う!……というちょいエロロボットギャグアニメ。エロだけど熱血硬派っぽい容姿の主人公とか、遠藤正明の燃え系主題歌とか、全体的には70年代ロボットアニメのパロディ。エロを原動力にロボットを動かすと言う設定もこの手のパロディでは定番なれど、それらの歯車がきっちり噛み合っていてパロディ作品としての完成度は高い。第1話のクライマックスで主題歌が挿入されるタイミングは阿呆すぎて見事。
【月曜日】
- 『オレカバトル&ドラゴンコレクション』(テレ東/夕方6:00)
30分2作品。どちらもカードバトルアニメ。『オレカバトル』は劇中で同ゲーム筐体で遊ぶ中、大人には見えないモンスターの襲来があり、主人公は本物のオレカバトルをすることに……という話。『ドラゴンコレクション』はスマホ連動のアーケードゲーム筐体に主人公が吸い込まれ異世界で本物のドラゴンを召喚して戦うことに……という話。オレカは児童向けホビーアニメに徹した作りで安っぽいがドラコレはまだ冒険アニメ的で見れる作りではある。
- 『ヒーローバンク』 (テレ東/夕方6:30)
(BSジャパン/水曜夕方5:30)
ネット上で行なわれる《ヒーローバトル》で熱いバトルを繰り広げる主人公。ある日、バトル中に着用していたヒーロー着のレンタル期限が来てしまい素っ裸に。その時、1点物のヒーロー着《エンター・ザ・ゴールド》を貸してくれるという謎のおっさんが現れる。だが、そのヒーロー着の契約料は100億円だった……!セガ製3DS用ゲーム原作。元がゲームだと感じさせるような販促的な描写がなくて1本のアニメ作品として楽しく出来ている。小学生中心のホビー世界でバトルが盛況な様子など『メダロット』辺りを彷彿とさせる。カッコ良くはない主人公の外見など子供向けに徹しているのも良。初回の掴みはOKなのであとは通常回のドラマ次第。
- 『星刻の竜騎士』(MX/深夜0:30)
(BS11/木曜深夜0:00)
竜飼いを育成する学園。主人公はパートナーとなる竜を未だ持てずにいたことで陰口を叩かれていた。そんなある日、学園の竜レース中に敵国の侵入者とのいざこざで崖下へと落下。その瞬間、体に宿りし竜が少女の姿で現れた……な初回。ラノベ原作。見飽きた設定や人間関係ばかりで新味はない。キャラデも特に特徴はなく作画も破綻してはいないが秀でた魅力もない。まあ中二好きにはウケそう。
- 『マンガ家さんとアシスタントさんと』(MX/深夜1:05)
(BS11/月曜深夜0:30)
とある男性漫画家とその女性アシスタントを中心とした日常を描くコメディアニメ。原作はガンガン系でいかにもなマイナー誌ノリな内容。短いエピソードを羅列する作りで話も薄い。
- 『DIABOLIK LOVERS』(MX/深夜1:18)
(BS11/月曜深夜0:43)
少女が居候のためにとある洋館を訪れるとそこにいたイケメンたちは皆吸血鬼で少女を襲う対象として見てきた……というドS鬼畜イケメンらに罵倒されて襲われたい性癖をもつ女性向けアニメ。2013年にCSで放送されていたものを『マンガ家さん~』とセットで地上波初放送。乙女ゲーっぽいシチュで実際ゲームも出てるみたいだけど大元はCDドラマらしい。主人公は完全に人身御供だし前述の性癖がない身には気分が悪い作品。
【火曜日】
- 『マジンボーン』(テレ東/夕方6:30)
(BSジャパン/木曜夕方5:30)
主人公は幼い頃から空手を習う至って普通の高校生。ある日、近所の幼なじみの家にある庭石から奇妙な音が。そこに空から謎の隕石が落下したかと思えば謎の敵が現れる。襲われながらも庭石の下に眠っていた石板に主人公が触れるとドラゴンボーンの鎧が体を覆った……。データカードダス中心のアニメ企画らしいけどカード要素は目立たない程度。変身後の姿はCGでメカメカしいためヒーローとロボの中間ぐらいのイメージ。仲間となるキャラなど作品の雰囲気が『勇者指令ダグオン』っぽい。そういえばあちらにもオカルト好きヒロインがいたっけ。玩具描写でがんじがらめな昨今の子供向けアニメとは違い、作品バランスがひと昔前の商業アニメって感じでいい。
- 『超爆裂異次元メンコバトル ギガトンシューター つかさ』(Eテレ/夕方6:45)
小学生メンコバトルCGアニメ。内容はカードバトル系アニメを茶化したようなパロディノリのギャグアニメだった。「天才てれびくん」内の短編アニメで「おはスタ」内のコロコロアニメみたいな感じ。小学生ならくだらなさを面白がれるのかな。
- 『魔法少女大戦』(MX/夜9:55)
(BS11/木曜夜11:54)
47都道府県ご当地魔法少女とかいうネットコンテンツのアニメ化。5分枠で物語性も特になくキャラを愛でるだけな作り。その手の需要向け。
- 『ブラック・ブレット』(MX/深夜0:30)
(TVK/火曜深夜1:00)
(BS11/水曜深夜0:00)
《ガストレア》と呼ばれる寄生生物が人を襲う近未来。ガストレア排除を担う民間警備会社で働く男子高校生はとある現場で謎の仮面の男と出会う。男は突入してきた警官を殺し、自らを世界を滅ぼす者だと名乗る……。ガストレアウイルスを持って生まれた少年少女たちとかその異能力だとか定番なラノベ原作アニメ。作画がしっかりしていて見せ方も整っているので見やすいが既視感がつきまとう。
- 『史上最強の弟子ケンイチ 闇の襲撃』(MX/深夜1:00)
(BS11/火曜深夜3:00)
近年作られたOVA版をテレビ放送。クオリティはちゃんとしてるし声優もほぼそのままでファンなら楽しめるかと。
- 『カリーノ・コニ』(テレ東/深夜1:35)
とある森の奥にある村に引っ越してきた野うさぎのコニと森の仲間たちとの日常を描く5分枠のCGショートアニメ。背景がミニチュアでキャラはCGという作り。キャラの質感や動きが人形アニメっぽくていい雰囲気。主題歌ユニットの1人「Z」が水木一郎と知り驚いた。
- 『ソウルイーターノット』(テレ東/深夜1:40)
(BSジャパン/木曜深夜1:58)
ある日、足が突然武器化した主人公は死武専に入学することに。同期で同い年の少女2人との寮生活が始まる……というソウルイーター外伝。絵柄が萌え系になり、まるで別人の手による2次創作のよう。ノリは女子高生日常系で現実寄りな世界観にも違和感。最初からこういうものだと思えば仕上がりは丁寧だし楽しめる。
【水曜日】
- 『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』(テレ東/夕方6:30)
トニー・スターク=アイアンマンの元、主人公兄弟の父親は《ディスク》と呼ばれる封印システムの研究開発をしていた。そのお披露目の日、ヒーローの敵であるヴィランたちによってディスクは悪用され、牢獄にいた者たちが解き放たれてしまった……という展開。ヒーローたちの描写に時間を割きすぎて散漫な序盤回。おそらくはマーベル側とのヒーローの扱いの調整の結果なんだろうけど、中途半端感は否めない。子供メインで話を進め、ヒーローたちは早めに封印してもらって、ディスクからヒーローが現れるフォーマットを1話目終わりぐらいには確立してほしかったところ。おそらくこれから散らばったディスクを回収していくのだろうけど、その過程で各ヒーローを紹介していけばよかったのに。最初にバイオコードが何なのかが説明されないため序盤のアタッシュケースを巡る攻防に乗り切れないのも辛かった。シリーズ構成のキング・リュウって誰だ?
- 『くつだる。』(Eテレ/夕方6:45)
日常で起こるあらゆる現象にはそれぞれ原因となる妖怪がいたのだった……。「天才テレビくん」内の短編アニメ。題名は履いている靴下をいつの間にかだるだるにする妖怪のこと。ヘタウマな絵柄のオリジナル妖怪が作品の肝だがまるで面白くない。
- 『ノーゲーム・ノーライフ』 (MX/深夜0:30)
(BS11/金曜夜11:30)
ネット上で無敗のゲーマー『 (空白)』の正体はとある引きこもり兄妹。ある日、2人はおかしなメールを受け取る──「君ら兄妹は生まれる世界を間違えたと感じたことはないかい?」。そしてゲームで全てが決まる世界への誘いに乗ると、次の瞬間、見たことのない異世界の空に放り出されていた……という出だしで始まるラノベ原作アニメ。正直、設定は既視感ありあり。異世界でポーカーやジャンケンが存在しているのはおそらく「そういう世界」なんだろうけどご都合主義的。それでもキャラの言動に無理がなく描写もしっかりしているので同種のありがちな作品に比べて見れる作品になっている。
- 『棺姫のチャイカ』(MX/深夜1:05)
(テレ玉/木曜深夜1:05)
(TVK/金曜深夜1:15)
(BS11/金曜深夜3:00)
主人公は山菜採りをしていた森で棺を担ぐ1人の少女と出会う。ウィザードである少女は主人公兄妹に仕事を依頼する。それは領主の館にある何かを奪い返すことだった……。よくある異世界を舞台にしたラノベ原作アニメ。棺を背負う少女という絵面以外に特徴は無い。作画は良好なので絵柄が好みなら付き合えると思う。
- 『風雲維新ダイ☆ショーグン』(MX/深夜1:35)
(BS11/木曜深夜3:00)
(TVK/日曜深夜0:30)
(テレ玉/日曜深夜0:30)
蒸気傀儡と呼ばれる巨大ロボが生み出された江戸時代。喧嘩に明け暮れ長崎を締めるまでになった主人公は、ある日、謎の刺客に命を狙われる。徳川の血を引き「童貞」である者のみが動かせるというロボット《スサノオ》に彼が乗り込むとそれは起動した……てなSF時代劇アニメ。絵自体はきれいだがアニメとしては動かないほぼデジタルコミックな仕上がり。渡部高志監督は『トライゼノン』『ロストユニバース』などの作画リソースの無い現場が多い印象だけど、今回は完全に割り切ってこうしたのかな。
【木曜日】
- 『GO-GO たまごっち!』(テレ東/夕方6:30)
(BSジャパン/月曜夕方5:30)
たまごっち星の2つの大陸がぶつかり、それぞれの街や学校が合体しちゃった~……という展開で過去のシリーズキャラが総登場するらしい。クラス構成が授業によってランダムになるなど一気に増えたキャラを持て余さない工夫がチラホラ。シリーズをずっと見てきた人には堪らないんだろうな。
- 『エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~』(MX/夜10:00)
(BS日テレ/日曜深夜0:00)
ファンタジー世界を舞台に、とある地方の役所の開発班に配属された錬金術師2人の活躍を描く。ガスト製ゲーム「アトリエ」シリーズ15作目のアニメ化。前向きで一生懸命という主人公像にそれ以上の魅力は付与されておらず、役所への依頼をこなす日常描写も盛り上がらない。ファン向けか。
- 『ご注文はうさぎですか?』(MX/夜10:30)
(BS11/月曜深夜0:00)
高校入学でとある町の喫茶店に下宿することになった少女と、その店のオーナーの孫娘と仲間たちとの日常を描く。萌え4コマ原作。欧州のどこかっぽい街並でありながら、やってることは日本国内の女子高生日常物のそれ。「世話になる家で奉仕する」という高校方針の荒唐無稽さや、変な生き物のせいで現実感もない。キャラの言動もテンプレをなぞる程度の浅さでネタ自体面白くもない。特徴のない絵柄でそれを好んでキャラ萌え需要が満たされる人向け。
- 『ピンポン THE ANIMATION』(フジ/深夜0:50)
ノイタミナ枠。高校卓球部に所属する幼なじみの2人、ペコとスマイル。天才肌と自負していたペコだったが偵察先の中国人留学生に惨敗してしまう……。湯浅政明監督は松本大洋の絵柄と親和性が高い。原作から無駄に足したり引いたりされていない良質なアニメ化。
- 『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』 (フジ/深夜1:20)
ノイタミナ枠。学生育成のために造られた人工の島《七重島》。主人公が引っ越したアパートの部屋に入るとそこにはテレビを見ながらプリンを食べている女性が。彼女は地縛霊でこの島を作り上げた初期メンバー7人の1人だという……てなラノベ原作アニメ。ありがちな設定と舞台が用意され、ありがちなキャラを配置。ありがちな意味深な物言いをさせ、物語自体の語り口は表面的。ひと昔前の作画だけ良いOVAによくあったタイプ。絵が好みなら見れる仕上がりではある。
- 『犬神さんと猫山さん』(テレ玉/深夜1:00)
(TVK/金曜深夜1:10)
犬っぽいけど猫派な犬神さんと猫っぽいけど犬派の猫山さんが惹かれ合う女子高生日常4コマ系プチ百合アニメ。どれも大したネタでもないので5分枠でも長い。
- 『ブレイドアンドソウル』(TBS/深夜1:46)
(BS-TBS/土曜深夜1:00)
師匠殺しの罪で賞金首となって帝国に追われる身の女暗殺者。ひょんな出会いからとある村を帝国から守る用心棒として雇われたが、彼女の正体に気付いた帝国の追っ手は村を壊滅させた……てな初回。キャラデや世界観等が垢抜けないと思えば韓国製MMORPGが原作とのことで納得。ありがちな話で絵柄共々新味はない。
- 『僕らはみんな河合荘』 (TBS/深夜2:16)
(BS-TBS/土曜深夜1:30)
親の転勤で一人暮らしをすることになった男子高校生。下宿先の「河合荘」にはおかしな住人たちがいたが、憧れの1年先輩の女子高生もいたことから住むことにしたのだった……。おかしな住人に振り回される主人公という構図のよくある下宿ものだが、肝心のキャラたちの個性が薄く起こる事件も薄い。物語性が薄く日常4コマレベル。絵的には漫画そのままな書き文字が画面に氾濫してうるさい。ながら見程度には見れるけど1クールで濃密に作る深夜アニメとしては辛い。
- 『監督不行届』 (テレ東/深夜2:05)
安野モヨコとその夫・庵野秀明とのオタクな結婚生活を描くエッセイ漫画原作アニメ。「あにむす!」内の短編。FROGMAN系でさくっと見れる面白さではあるけど小ネタ以上でもない。
【金曜日】
- 『ミュータントタートルズ』(テレ東/朝7:30)
ニューヨークの地下に暮らす正義の亀忍者4人組の活躍を描く米アニメ新シリーズ。今回はCGアニメ。CGモデルはカートゥーン的デフォルメでメリハリが効いている。汗の表現など漫符の多用が目立つ。普通にCG表現だけの方がいいのに、忍者つながりでNARUTO的な日本のアニメっぽさでも求めたのだろうか。キャラの特徴付けも見た目の差異と共にハッキリしていて、個人的には今までのアニメの中で一番見やすい。GReeeeNによる日本版主題歌がいい感じ。
- 『牙狼-GARO- -魔戒ノ花-』(テレ東/深夜1:23)
黄金騎士ガロの称号を受け継いだ若き魔戒騎士・冴島雷牙と、彼の元に元老院から派遣された自らを魔導具と言う少女の活躍を描く実写特撮ヒーロー新シリーズ。やはり現代の闇に潜むホラーという本来の世界観でこそ。雨宮慶太抜きの前作は正直面白くなかった口なので。主役の代替わりも悪くない。へー、三田村邦彦の息子なのか。
- 『デート・ア・ライブ II』(MX/深夜1:35)
(BS11/土曜深夜3:00)
(TVK/日曜深夜0:00)
(テレ玉/日曜深夜0:00)
空間震を防ぐためには精霊とデートをしてデレさせなければならないというラノベ原作アニメ第2期。初回のヒロインの勘違いによるズレがテンプレ止まりで面白くもない。キャラ萌えを求める向きにはこういうのでいいんだろうけど。
- 『シドニアの騎士』(TBS/深夜1:55)
(BS-TBS/土曜深夜0:00)
地下区画で祖父と暮らしていた主人公だったが祖父が亡くなったことから地上へと食料探しに出たがIDを持たない者として拘束される。事情を知る女性艦長が身元引き受け人となり、彼は人型兵器のパイロット訓練生となった……。トゥーンレンダリングCGアニメ。物語中心のショートショート系SFならこの手のCGアニメでもいいけど感情的な芝居にはやはり不向き。人形劇と割り切って1つの映像作品として見れる人なら問題ないのかもしれん。
- 『悪魔のリドル』(TBS/深夜2:25)
(BS-TBS/土曜深夜0:30)
とある学園で特別に開講される《10年黒組》に1人の女子高生を暗殺するべく12人の女子高生刺客が集められた……という、なんだかよくわからない話。土台部分の無い作品世界に繰り広げる内容だけはあるという作りで、原作:高河ゆんと聞くと納得。この人、最初は新鮮でハマるけど中身の無さに気づくと飽きてくるのよね。この作品も雰囲気が好みなら楽しいんじゃなかろうか。
- 『selector infected WIXOSS』(MX/深夜1:05)
(BS11/日曜深夜0:00)
女子中高生に人気のカードゲーム《WIXOSS》。なかなか友達ができない主人公は兄の勧めでカードデッキを貰ったが、カードの中の少女が動き喋りかけてきた。特殊なカードを持つ者は《セレクター》と呼ばれ、彼女はセレクターバトルに見を投じることとなる……。萌え+カードバトルアニメ。よくある深夜アニメの異能力の小道具をカードにしただけで特徴はない。ちょっと前にもこの手のアニメがあったけど、小さい頃にカードバトルアニメで育った層がそろそろアニオタになってきたってことなのかな。
- 『蟲師 続章』(MX/深夜0:00)
(BS11/金曜深夜0:00)
妖怪の類いである《蟲》に関する様々な事象を扱う者《蟲師》の物語。2005年以来のテレビシリーズ第2期。初回はとある杜氏親子が出会った昔ばなし的エピソードで、蟲師という存在の説明回としてきれいにまとまっている。作りは丁寧で雰囲気が好みなら楽しめる。
- 『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』(MX/深夜0:30)
(BS11/金曜深夜0:30)
スタンド使い登場のジョジョ3部のアニメ化。前作序盤が原作再現をおかしな方向に振っていたのに対して、今回は過不足ない描写で安定している。アニメ映えする作品なのでとりあえずジョセフとディオさえ知っていれば今期からでも楽しめる。
【土曜日】
- 『デュエル・マスターズVS』(テレ東/朝8:30)
(BSジャパン/日曜朝6:30)
激しい戦いにより「デュエマ禁止令」が出て2年。主人公・勝太は中学生になっていた。そしてデュエマ解禁の日に勝太は再びデュエマの世界に身を投じることになる……。前作までのトゥーンレンダリングCGではなく、まともなアニメになって絵的には見れる。コロコロノリのベタなギャグは正直寒いけど子供にはウケるんだろう。いつものように非プレイヤーの身ではゲーム部分の段取りに面白さを見出せないので現役プレイヤー向け。
- 『テンカイナイト』(テレ東/朝9:00)
(BSジャパン/火曜夕方5:30)
主人公は転校したクラスで仲良くなった友達と不思議な影を追ってとあるアンティークショップに。そこで出会った店の主人にブロック玩具をプレゼントされるが、それは異世界の勇者に変身するものだった……。レゴのようなブロックが変形してロボットになる玩具を元にした日加合作アニメ。アメリカでは昨年から放送中。玩具をキーアイテムとしつつ、作りは物語優先でひと昔前のロボットアニメのそれ。少年たちが力を託される雰囲気などエルドランシリーズっぽい。実制作は日本だけど玩具描写に傾倒しないバランスは海外展開中心の海外合作のおかげか。丁寧な演出と作画でしっかり子供向けしている。
- 『レディ ジュエルペット』(テレ東/朝9:30)
ジュエルペット第6作目。ある日、主人公はレディジュエル候補生としてルビーに選ばれ、ジュエルパレスで立派なレディになるため他の候補生たちと共に様々な課題をこなす……。男子のプリンス候補生がいたり少女漫画寄りな作風。路線的には「てぃんくる☆」に近いか。ジュエルペットたちはお付きの妖精ポジションで扱いは大人しめ。ジュエルペット好きにはちょっともの足りない。
- 『プリティーリズム・オールスターセレクション』(テレ東/朝10:00)
頭と終わりに簡単なナビゲートアニメを付けた過去作の傑作選。新作ゲーム稼働に合わせた新アニメまでの繋ぎ。
- 『FAIRY TAIL[2期]』(テレ東/朝10:30)
メンバーが飲み屋でワイワイやっているなど途中で終わった前作最終回からそのまま続いているらしい初回。当然ながらシリーズファン向けですな。
- 『金田一少年の事件簿R』(日テレ/夕方5:30)
金田一少年の再アニメ化。まさか金田一&コナンの1時間推理タイムが再び見られるとは。くっきりしたデジタルの画作りはきれいすぎて違和感。2007年のSPの時はそうでもなかったのに。最初のエピソード「香港九龍財宝殺人事件」はあまり面白くない原作なのでスタートダッシュにもたつくのがもったいない。主要キャストが変わらないのは嬉しい。
- 『パックワールド』(MX/夕方6:30)
(BS11/土曜夜7:00)
ナムコのゲーム「パックマン」のCGアニメ。キャラは丸い頭部から手足が生えた姿でM&Mのキャラみたいでバタくさい。学校では冴えない主人公だけど、実はゴーストを食べることが出来る伝説の「黄色い者」だった……という元のゲームルールが活かされている展開。アメリカでは昨年から放送されているらしい。あちらのスクールカーストのノリは日本ではウケなさそう。
- 『メカクシティアクターズ』(MX/深夜0:00)
(BS11/土曜深夜0:00)
カゲロウプロジェクトとかいうよくわからないマイナーなマルチメディア企画の中のアニメプロジェクトらしい。自己陶酔的なよくわからない演出と中身の無い話で門外漢には面白くも何ともないが、そもそも信者が身内で楽しむ代物なんだろう。
- 『魔法科高校の劣等生』(MX/深夜0:30)
(TVK/日曜深夜1:00)
(テレ玉/日曜深夜1:00)
(BS11/土曜深夜0:30)
国立魔法大学付属第一高校の入学式。兄は学問・体術に秀でていたが魔法実技の成績の悪さから補欠の二科生、妹はエリートの一科生として入学。学内では一科生が二科生を見下す風潮があり、初登校の日に二科生の兄と一緒にいる妹をよく思わない一科生と衝突が……といった初回。SF的魔法世界に能ある鷹的主人公というよくあるラノベ原作アニメ。登場するキャラも序盤はテンプレ止まりかと思われたが、地に足がついた言動で世界観語りに傾倒せずにドラマになっていた。完璧主人公で感情的に盛り上がらないのは良し悪し。
- 『神々の悪戯(あそび)』(MX/深夜1:00)
(BS11/金曜夜11:00)
神社の娘である主人公は謎の声に導かれて蔵の中へ。そこにあった剣に触れるといつの間にか知らない屋敷の中に飛ばされていた。そこはゼウスによって世界の神々が集められた学び舎であり、彼女はイケメンな神たちに「人間とは、愛とは何か」を学ばせる役目を負わされたのだった……。一目で分かる女性向け恋愛ゲーム原作アニメ。柔和なイケメンと暴力的イケメンが何気にペアを組んでいたり腐向け要素あり。戦国武将女体化とかこの手の擬人化には慣れていたつもりだったけど、イケメンの正体が世界の神々とわかった時はさすがに「くだらねー」と口をついて出てもうた。女性向けキャラ萌え専用。
- 『M3~ソノ黒キ鋼~』(MX/深夜1:35)
無明領域と呼ばれる異空間が出現する世界。そこから発生するとされる《イマシメ》と呼ばれる化物に対抗する人型機械のパイロット候補生として主人公ら少年少女たちは招集された……。主人公たちの幼い頃の記憶に何かあった風な描写とか世界設定などにラノベ臭がするけどアニメオリジナル作品。初回序盤はそのありがちさに辟易しかけるが、終盤のイマシメの正体絡みのドラマでなんとか作品の形になっていたので見れた。新味はない。
- 『金色のコルダ Blue♪Sky』(日テレ/深夜1:50)
幼い頃はバイオリンの神童だった主人公だが、女子高生となった今は才能に伸び悩んでいた。そんなある日、都会に進学した幼なじみの出場する発表会に呼ばれ、そこで奏でられた演奏と情熱に触発されたことから幼なじみの勧めに従い都会の学校への編入を決めた……。前作から登場人物が一新されたコーエーの乙女ゲーム原作。主人公のモテ度は最初は数人に気に入られる程度で露骨さは薄めな方。初回は転校生となった主人公がオーケストラ部のレギュラーにいきなり抜擢されたところで引き。これから部員からのやっかみとかありそうで、見事な少女漫画展開が待っていそう。
- 『それでも世界は美しい』(日テレ/深夜2:20)
即位後3年で世界を征服した《晴れの大国》の太陽王の元へ嫁ぐこととなった貧乏国家《雨の公国》の第4皇女。勝ち気な彼女は1人で彼の国の港町に降り立つ。だがこの婚礼を快く思わない晴れの大国側の要人による妨害が……てな初回。花とゆめ原作。中東系異世界とか王が少年だったりとか絵柄とか実に同誌の少女漫画らしい作品。空気と仲良くなれたうんぬんは思わず『超少女明日香』を思い出したけどあれも花ゆめ作品か。がさつな王女とニヒルな少年王という組み合わせを好む人には特にウケそう。
見ても見ても、感想を書いても書いても終わらないと思ったら総数60本もあったという。疲れた。心底疲れた。1クール作品中心の今のアニメ業界の弊害が今期は一気に押し寄せたって感じ。
今期は「そこそこ見れる」というレベルが多い印象。作品数が少なければ見続けていたかもしれない作品もちらほら。ただその分、設定や物語などを「テンプレ」と感じる作品が多かったのも事実。なのでそこにその作品なりのプラスαがあるかどうか。個人的にはキャラに血肉が通っているかどうかが大きかった。
あとは個人的には子供向けアニメが豊作で楽しめたのが良かった。近年は販促優先な内容のホビーアニメが多かったけれど、今期は『マジンボーン』『テンカイナイト』『ヒーローバンク』などどれもまずはアニメありきの作りで、昔の玩具スポンサー中心の頃のアニメ黄金時代のよう。是非ともこの傾向で成功してほしい。
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