お願いランキング「人気声優100人が本気で選んだスゴイと思う声優ランキングBEST25」感想

2011年8月27日放送、テレ朝「お願い!ランキングGOLD 2時間スペシャル」は「人気声優100人が本気で選んだスゴイと思う声優ランキングBEST25」でした。内容は数年前にプロキングという深夜番組でやったことをちょっと規模を大きくしてやってみたって感じでしょうか。

「皆さん、気になりませんか? 本当に凄い声を持つ声優を…。そこで声優さんたちに質問──「あなたが本当に凄いと思う声優さんは誰ですか?」。番組では人気声優107人にアンケート調査を実施。本当に凄いと思う声優だけを本気の本気で選んでもらった。同業者が語るあの人気声優の本当にスゴい所とは!?」

ランキング集計方法は各自3人まで選んでもらい、1位10ポイント、2位5ポイント、3位1ポイントとし、合計ポイント数で作成。

声優100人が選ぶスゴイと思う声優ベスト25 >>




スタジオには人気声優9人が集結と称してゲスト出演。
表記された代表的役名は以下の通り。

野沢雅子(孫悟空)、緒方賢一(獅子丸)、田中真弓(ルフィ)
山寺宏一(加持リョウジ)、矢島晶子(野原しんのすけ)
三ツ矢雄二(上杉達也)、日高のり子(浅倉南)
坂本千夏(ハジメちゃん)、平田広明(サンジ)

平田広明に微妙に小清水亜美状態を感じてしまった。いや、私は平田広明大好きですけどね。小清水亜美の時よりマシだったのは『ワンピース』がメジャーだったことか。どちらかというと加持リョウジ役と紹介された山ちゃんの方が微妙かも。スパイクは知られてないだろうし、だからといってチーズってわけにもいかん。ゾロリにしろスティッチにしろ山ちゃんって世間一般にウケるわかりやすい代表作がないですな。

この9名へのアンケートを元にスタジオトークをする部分は「スゴイエピソードランキング」とか「スゴイ裏話ランキング」「スゴイ失敗談ランキング」みたいに無理やりランキングの体裁にしていたけれど、話す順番以外の何者でもなし。トーク自体は楽しかったです。三ツ矢雄二の「グレーゾーン」には笑かしてもらったわ。まあ、アニメトピア時代から変わらないんですけどね。



以下、内容についてつらつらと。

そうか、みーなちゃんは今はカツオ役って言われるのか。

坂本千夏は『平成天才バカボン』を引っ張り出してまでハジメちゃん役を代表作にする必要があるのかな。子供声なら素直にメイ役でいいと思うけどTVアニメという縛りでも設けていたのだろうか。アニメ外から"嘆きのマートル"を引っ張り出すより『キャッツアイ』のとか先に出すべきものがあるだろうに。

大塚明夫さんの代表作をムーミンパパにした意味もわかりませんが、ルフィもウソップもサンジもある中、中井和哉ゾロで紹介しないことの方がわからん。高山みなみの『デジモン』はテレ朝だからだろうけど。

林原めぐみさんの紹介で「綾波レイから人気に火がつき声優アイドルとしても大活躍」ってのは一般向け情報として整理したにしても改ざんしすぎ。ヒミコ、女らんまを無視すんな。リナ・インバースは知名度的に紹介されないと覚悟していたけど、綾波以外の紹介が1人もないとは思わんかった。番組的に綾波+アイドル歌手という情報で十分なんでしょうが、声優的側面からはバカボンまで紹介してこその林原さんだと思う。

永井一郎さんのところで波平の画像が無かったけど、基本的に現役番組は避ける傾向ということかな。私にとって永井さんというとダイス船長のイメージが強いです。

千葉繁さんはメガネがまず筆頭じゃないのか。

野沢雅子さんが1人複数役で会話するネタはこの手の番組のたびにやらされているのでちょっと飽きる。風大左衛門だけ画像が無かったのは、単に使えなかったのか、たったひと言のために使用料を払うのが勿体なかったか、さてどちらだろう。

矢島晶子さんからのウエンツ『ブレイブストーリー』吹替話は、あの作品自体、タレント吹替で形作らんとする代物だったわけで、オーディションも糞もないよね。これに限らず劇場アニメは芸能人でってノリがジブリからしてあるし。もちろんタレント吹替自体が問題なのではなくて、三ツ矢さんが語った「声優は俳優の表現のひとつ」の通り、芝居のできない人間が吹替をやることが問題なわけで。

あと、この手の番組では爆笑太田が自分の話を力説するコーナーは必ずなくてはいけないのだろうか。ベスト100の頃から邪魔だけど、今回は太田のくどくどした説明じゃなくて実際のVTRが流れたので助かった。



ランキング結果についてはまあ妥当かな。

プロキングとの違いは鬼籍に入られた野沢那智さんは対象から外されたと思われます。古谷徹さんはたぶん投票層の違い。プロキングの時は声優の卵とかも含んで全体的に若かったはず。今回は人気声優107人と銘打っているぐらいだから一線で活躍する方々が中心かと。なので先輩方へのリスペクトが多分に入ったものになったのではないでしょうか。

そんな中、山ちゃんは今回も1位になりましたが、声優──特にアニメ声優という括りで評価するには次元が違う人って感じ。今回のようなアニメキャラありきの紹介では加持ぐらいしか一般向けのわかりやすいタイトルがないことにも現れているかと。

「困った時の山寺」は本当だけど、そのせいで洋画吹替でもフィックス足りえない場合も多い。番組で名前が挙がった中でもキアヌ・リーブス、トム・クルーズ辺りは森川智之さんの方がイメージだし、ブラピやニコラス・ケイジなども1番手ではない。合わないわけじゃないけど……って感じ。プロキングの時に羽佐間道夫さんがおっしゃっていた"器用貧乏"の悪い面なだけに御本人も色々思うところはありそう。

ならばそれこそ番組は1位の人間への敬意として、上っ面なフィルモグラフィーでお茶を濁さずに、チーズ、スティッチといった変化球からコメディ色のゾロリ、そしてカッコいい声系の良牙やスパイクまで、ありとあらゆる山寺宏一の声を取り揃えるべきだったと思う。番組自体はとても楽しかっただけにそこは残念でした。

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個人的には石田彰が入っていなかったのがちょっと残念。今年のアニメグランプリの記事でも名前を挙げたように、今、私は絶賛石田彰スゲー状態なもので。でもまあこの面子にはそうそう食い込めないか。

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