キャシーは犠牲になったのだ──サンリオとメルシス社が和解
キャシーがミッフィーの著作権を侵害しているとした件の訴訟について、サンリオとブルーナ側(※メルシス社)が和解したそうな。
サンリオ「メルシス社との係争和解合意について」
http://www.sanrio.co.jp/corporate/release/detail/382
訴訟に関しては、サンリオ側もメルシス社に対してミッフィーの商標権取り消し訴訟を提訴するという訴訟合戦となっていましたが、先の東日本大震災を前に両者の訴訟費用を復興のための義援金とすることで和解したそうです。
まあ、子供向け商品を扱う企業としては泥沼訴訟合戦のイメージは互いのダメージにしかなっていなかったので、言い方は悪いですが旨い理由を見つけたといったところでしょうか。
サンリオHPでの説明を見ると、ブルーナ氏が今回の震災で怯える子供たちのためにイラストを描いてくれたことが和解への足掛かりになったように見えます。当初から訴訟はブルーナ氏がというよりもメルシス社側の暴走に見えてはいましたが、氏の心が子供と共にあることが分かり嬉しく思います。
ただ、気になる点も。
両社は全ての訴訟を取り下げ、互いのキャラクターを尊重すると言ってはいますが、サンリオ側は2009年11月以降、キャシーを新商品に使用していないことを謳っています。これはこのままキャシーを切り捨てるという意味に受け取れるものです。
サンリオ的には訴訟対象が広がり「対サンリオ訴訟」の様相を呈することは避けたかったと思われるので、その人身御供としてキャシー1人を差し出して済むとなれば御の字といったところでしょう。
これが杞憂であればと思っていたところ、いくつかのニュースで「今後、キャシーの商品は作らないことで合意」という具体的な文言を見つけてしまいました。ウォールストリートジャーナルはこれのどこが喧嘩両成敗だと言うのだろうか。
ウォールストリートジャーナル日本版「ミッフィーとキャシーのけんか両成敗」
http://jp.wsj.com/japanrealtime/2011/06/08/
スポニチAnnex「ミッフィー キャシー訴訟が和解」
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/06/07/kiji/K20110607000976320.html
キャシーは犠牲になったのだ……。
【過去記事】
・ミッフィーとキャシー(2010/10/22)
・キャシーはベネルクス三国渡航禁止(2010/11/03)
・キャシー生存確認(2011/03/03)
この記事へのコメント