2010秋の新アニメ感想
まずは前期で最終回を迎えた作品について少々。
楽しめたのは『ジャイアントキリング』。作画や演出など特にレベルが高い作品ではないけれど、題材の切り口の目新しさも相まってシンプルに楽しめました。同じノリで2期も期待したい。
肩透かしだったのが『戦国BASARA弐』。新キャラの豊臣秀吉や竹中半兵衛らの性格設定がテンプレ以上にはならず、それでいて個々の描写が多い割に全体描写が淡白で、各話のブツ切り感は否めない。最終回だけはなんとか盛り上がった。真田幸村が最終回まで走り出せなかったのが全体を暗くしてたかと。彼が悩みすぎた割にそれを解消できた心境の変化に説得力も足りなかった。
あと実写『もやしもん』のスタッフは二度とドラマを作らないでもらいたい。あんなもんはただのイメージ映像集。詳しくは原作を読んでねってのは最悪。それが面白いとでも思っているのか。笑い飯のキャスティングしか価値がなかった。
では、新アニメ感想。
【日曜日】
【月曜日】
【火曜日】
【水曜日】
【木曜日】
【金曜日】
【土曜日】
今期はテレ東深夜にU局アニメ系が流れてきた印象。逆に民放深夜アニメの続編がU局に移動したりと、今やテレビ局にとってはアニメはただただ消費するだけの代物になってしまった模様。まあ、テレビ局自身が崩壊してきているのでどうしようもないけど。
楽しめたのは『ジャイアントキリング』。作画や演出など特にレベルが高い作品ではないけれど、題材の切り口の目新しさも相まってシンプルに楽しめました。同じノリで2期も期待したい。
肩透かしだったのが『戦国BASARA弐』。新キャラの豊臣秀吉や竹中半兵衛らの性格設定がテンプレ以上にはならず、それでいて個々の描写が多い割に全体描写が淡白で、各話のブツ切り感は否めない。最終回だけはなんとか盛り上がった。真田幸村が最終回まで走り出せなかったのが全体を暗くしてたかと。彼が悩みすぎた割にそれを解消できた心境の変化に説得力も足りなかった。
あと実写『もやしもん』のスタッフは二度とドラマを作らないでもらいたい。あんなもんはただのイメージ映像集。詳しくは原作を読んでねってのは最悪。それが面白いとでも思っているのか。笑い飯のキャスティングしか価値がなかった。
では、新アニメ感想。
【日曜日】
- 『ひつじのショーン』(NHK教育/朝7:00)
羊のショーンと牧場の仲間たちが繰り広げるおかしな日常を描く、『ウォレスとグルミット』のアードマン制作のクレイアニメ第2期。もうめっちゃ好き。
- 『バトルスピリッツ ブレイヴ』(テレ朝/朝7:00)
前作『少年激覇ダン』の続編。前作の戦いから2年後、魔族が浸食する未来の地球に降り立ったダンは人類を救う戦いへと身を投じる──。カードバトル物には興味がないし、前作も初回チェックしたのみなので今回もパス(ちなみにいつもなら「ニチアサキッズタイム」でまとめて書いてるけど、時期のズレと興味の無さでさっさと書いた次第)。
- 『STAR DRIVER/輝きのタクト』(TBS/夕方5:00)
とある島にある学園に入学する主人公。そこには学園の生徒と思しきメンバーで構成される綺羅星十字団と名乗る秘密結社が存在した。だが主人公も結社のメンバーが持つ能力(=巨大ロボを駆る力)と同じ力を持っていた──てな第1話。脚本が悪いのか演出が悪いのか、ダラダラした展開でダレる。キャラデ微妙。綺羅星とか銀河美少年とか狙ってる感ありすぎ。造語の多い会話は中二っぽさがいや増す。作画だけが取り柄の良くも悪くもボンズ製アニメ。ウテナ+舞HiMEといった印象。印象だけはね。
- 『スーパーロボット大戦OG/ジ・インスペクター』(MX/夜10:00)
(→TVK/日曜深夜1:00)
DC戦争とやらの残党と戦っている主人公らの前に謎のロボットが空から現れ──てな導入部。アバンでいきなりロボット同士が戦い合っててよくわからん。世界設定を大統領らしき人物の演説にかこつけて済ませるのはファン向けにしても雑。"大張"ってるロボ作画はゲームのおまけに付けるPVとしてはいいけどドラマが伴わない。本作のみで成立させるには何もかも不足。ファン以外お断りな作りでちょっとついていけない。
- 『心霊探偵 八雲』(BS2/夜11:00)
死者の魂が見える左目を持つ大学生・斉藤八雲。同じ大学に通う小沢晴香は霊に取り憑かれた友人を救おうと彼の元を訪れる──。初回ということを差し引いても事件を追う目線が少なすぎる。人物描写も薄くなり、人の生き死にすら扱いが軽いのはこの手の作品では致命的かと。以下余談。てっきり及川光博主演で実写ドラマ化された『八雲樹』の方と思っていたものだから全然別物で焦った。それにこっちも既に実写ドラマ化されてるのね。
- 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(MX/夜11:30)
(→TVK/火曜深夜1:45)
(→BS11/土曜夜11:30)
少々勝ち気だが至って普通の妹(中学生)が実は隠れオタクだと知った兄(高校生)が色々と振り回される話。まず妹が可愛くない。勝ち気を通り越して常に喧嘩腰の性格の悪さ。兄へのカミングアウトが不自然。オタク加減が突拍子もない(未成年女子が18禁PCゲーをプレイする)。ノンケの兄の対応がオタク寄り。この題材を本当に活かすならもっと地に足をつけた人物像を積み重ねてこそだろうに。この妹とオタク文化描写を面白いと思える人向け。
- 『百花繚乱 SAMURAI GIRLS』(TVK/深夜1:30)
(→MX/火曜深夜1:30)
現代まで徳川幕府が続く架空の日本。霊峰富士の裾野に開かれた武家の子女のみが通う巨大学園・武應学園塾に、柳生道場師範の主人公が転校(?)してくると、そこで学園執行部の豊臣狩りと出くわし──てな導入部。変なコスチュームを身に纏う女性キャラたちが刀1本で爆撃機相手に戦うアバンを見て、またぞろその手の架空戦記物かと思いきや、本編が始まったら嘘くさい和風建築の学園に主人公が転校してきてたくさんの美少女キャラに囲まれるただの異世界学園物だった。輪郭線が太いイラストタッチの絵が見づらい。テンプレなキャラばかりで薄っぺらい。キャラ萌えする人向け。
- 『荒川アンダー・ザ・ブリッジ×2』(テレ東/深夜1:35)
荒川の河川敷に暮らす個性的な住人たちが織り成す荒唐無稽な日常を描くギャグアニメ第2期。前も書いたけど私にとって新房だけど見れる希有な作品。
【月曜日】
- 『えむえむっ!』(TVK/深夜1:15)
(→MX/水曜深夜1:30)
主人公は女性に暴力を受けると快感を覚えるドM体質な男子高校生。好きな人と普通に恋愛をしたいがため、体質を改善しようと決意。学校には生徒の願いを叶える「第二ボランティア部」というものがあり相談に行くが、そこの女部長は暴力的なドSだった──てな導入部。女部長は自称神様だったり、そこらに氾濫する傍若無人な振る舞いが許されるワガママテンプレキャラで、深みもないので暴力に可愛げがなくて不愉快になる。この手のラノベ好き向け。
- 『おとめ妖怪 ざくろ』(テレ東/深夜1:30)
時は文明開化の時代。妖怪(妖人)を大の苦手とする若き帝国陸軍少尉は、妖怪が絡む事件を管轄する「妖人省」に配属され、半妖の少女・ざくろとパートナーを組むことになった──。人間と妖怪が共存する世界らしいが、実際の描写がないまま話を進められても実感がない。ヒロイン・ざくろが開口一番「妖人省」という単語を迷いなく口にしちゃうのも視聴者への取っ掛かりを考えていない証拠。そのため妖人が町にぞろぞろと花見に出かけ、町人に陰口たたかれて、そんなの慣れっこだと健気発言しても感情移入しづらい。話自体は定番のありふれたものなので、設定を理解し、好みが合う方はどうぞ。
- 『侵略!イカ娘』(テレ東/深夜2:00)
人類の環境汚染に対して侵略のため地上にやってきたイカ娘。しかし、最初に訪れた海の家の壁を破壊してしまい、海の家で働かされることに──てなギャグ(?)アニメ。キャラ性はケロロの二番煎じか。水島努監督だからちょっとだけ期待したけど面白くない。ネタ自体がつまらないのに演出も面白くしようとする気配がなく、淡々と話を運ぶのみ。作画も安定しているだけで淡白。キャラ萌えもないし、どんな層が対象なのか。
【火曜日】
- 『クロヒョウ 龍が如く新章』(TBS/深夜1:25)
新宿神室町の地下で繰り広げられる非合法の闘技場「ドラゴンヒート」で闘う少年・右京龍也。彼は友人とヤクザとのトラブルに巻き込まれ、気が付いた時にはヤクザが死んでいた。九鬼組の組長は証拠の映像を手に龍也に地下闘技場で闘うことを迫る──。セガのPSP用ゲーム原作の実写ドラマ。原作では龍也が自発的にヤクザに押し入る点をドラマでは人助けに変更することで主人公の立ち位置を確保。ヤクザを殺したかどうかも微妙な表現で、真犯人探しで物語を引っ張る作り。ドラマもアクションも思ったよりしっかりしていて十分楽しめます。
- 『もっとTo LOVEる-とらぶる-』(MX/深夜2:00)
主人公の男子高校生が宇宙から来た女の子と婚約することになり日常がハチャメチャになる系の微エロアニメ第2期。今回は30分3話構成でオムニバス感が強く、キャラの仕草等を愛でる人向けな作り。
- 『そらのおとしものf(フォルテ)』(MX/深夜3:00)
(→TVK/水曜深夜1:45)
空から愛玩用エンジェロイドが降ってきて、煩悩の塊の主人公・智樹が欲望のままに暴走するだけのアニメ第2期。相変わらず馬鹿まっしぐらすぎて好きだ。前回、各話EDが話題になったけど今回もそこは引き継いでいそう。2話のED酷すぎるだろ(笑)。
【水曜日】
- 『神のみぞ知るセカイ』(テレ東/深夜1:50)
主人公は落とせないゲームキャラはいない「落とし神」と呼ばれるギャルゲーオタク。その噂を勘違いした駆け出し悪魔からの依頼メールにそうとは知らず応え、悪魔と契約してしまう。地獄から抜け出した悪人の霊魂が人の心の隙間に巣食うため、捕まえるためには心の隙間を恋で埋めて追い出す必要があるという。主人公は自らのギャルゲー理論で現実の女を落としていく──。意外と面倒な初期配置の説明が流暢で見やすい。現実の恋とは言っても所詮アニメなので、ギャルゲー恋愛を現実で実践するというメタフィクション的表現に留まっているが、それはそれとしてちゃんと楽しめる。
【木曜日】
- 『ポケットモンスター ベストウイッシュ』(テレ東/夜7:00)
サトシとピカチュウ(とロケット団)の新たな活躍を描く新シリーズ。登場ポケモンが全て新規になってもピカチュウ(とニャース)は欠かせない。今回は新ヒロインが新主人公と紹介されていても騙されなかったぞ(笑)。
- 『探偵オペラ ミルキィホームズ』(MX/夜11:00)
(→TVK/月曜深夜1:45)
探偵と怪盗が争い合う大探偵時代。探偵学院で学ぶ少女4人は探偵チーム「ミルキィホームズ」を結成、活躍していた。だがある日、特殊能力トイズを失い、学院の落ちこぼれに。3ヶ月の猶予を貰った4人の奮闘が始まる──。探偵は設定だけで4人のキャラに萌える人用。これが『ギャラクシーエンジェル』みたいに暴走するなら面白いけど至って普通の萌えアニメなので見るところがない。
- 『海月姫』(フジ/深夜0:45)
(→BSフジ/11月から土曜深夜1:00)
幼い頃、母が言っていた"お姫様"になり損ねたクラゲオタクの主人公・月海。彼女の暮らすアパート「天水館」は男子禁制で、他の住人も様々なオタク趣味を持つ腐女子である。ある日、ペットショップで死にそうなクラゲについて店員と揉めていると"お姫様"のような美女に助けられる。だが彼女は女装趣味の男性だった──てな第1話。男性オタはよくあるけど腐女子ネタは珍しいか。日常アニメだったらどうでもよかったけど、女装ヒロイン登場で物語が動いた辺りで面白くなっていった。ノイタミナ枠らしい雰囲気だし、期待。
- 『古代少女隊ドグーンV』(MX/深夜1:30)
関西方面でしか放送されなかった特撮ドラマ『古代少女ドグちゃん』の続編。今回はドジちゃんを中心に5人の土偶少女の妖怪退治の活躍を描く。深夜特撮の緩さは正直飽きるけど、シンケングリーン=鈴木勝吾が出てるんで見る。西郷輝彦の登場シーンが赤青メガネ(アナグリフ方式)の3Dになっていて面白い。
- 『それでも町は廻っている』(TBS/深夜1:55)
下町の商店街で名前だけのメイド喫茶でバイトする女子高生・嵐山歩鳥とその周りの人たちが織り成す日々を描くコメディアニメ。メイド喫茶のイロハをネタに状況が上滑っていく様を楽しむ作品なんだろうけど、ただただうるさいだけだった。小見川千明の声は耳に響くなぁ。新房は肌に合わない。
- 『ヨスガノソラ』(MX/深夜2:00)
(→BS11/金曜夜11:30)
両親を亡くし、田舎の実家にて2人暮らしを始める双子の兄妹。妹は体が弱く引きこもりがちで高校にも行こうとしないが、兄が他の女子と一緒にいる姿を見たことをきっかけに学校に通い始める──。かつて住んでいた町に戻ってきた主人公とか、幼なじみの女の子とか、周りの女子が皆主人公に惚れるとか、要素だけ見ればハーレムアニメのテンプレみたいな作品なんだけど、丁寧な描写の積み重ねで普通に学園アニメとして仕上がってます。オタ向け要素はおまけの短編アニメが担っている模様。おまけ用のEDなどいかにもな内容で見るに堪えないけど、ああいうのを好きな人もいるんだろうな。
【金曜日】
- 『フォーチュンアテリアル 赤い約束』(テレ東/深夜1:23)
転校ばかりの生活から脱するために全寮制の学院に転校してきた主人公・孝平。副生徒会長(女)とのいざこざや幼なじみ姉妹との邂逅などありつつ、学院に慣れるために敷地内を回っていると、教会で人の血をすする吸血鬼と対峙した──までの初回。判子絵18禁ギャルゲー原作か。街に7年ぶりに帰ってきたとか、お風呂場でバッタリ平手打ちとか、ちょっとした一言で見直されて惚れられるとか、お約束祭り。この絵柄で萌えを求める向きには必要最低限のものは用意されているかと。ドラマは吸血鬼設定次第かな。
- 『とある魔術の禁書目録II』(MX/深夜1:30)
(→TVK/土曜深夜2:15)
科学と魔術が交差する学園都市を舞台に、"幻想殺し"の力を秘める右手を持つ高校生・上条当麻と、10万3千冊の魔導書を記憶する少女・インデックスの活躍を描く第2期。間に『とある科学の超電磁砲』を挟んでいるので久しぶり感は薄い。『超電磁砲』がキャッチーな作りだった分、どうしても地味に感じるけど1期もこんな感じだったっけか。まあ、安定して見られる。
- 『咎狗の血(とがいぬのち)』(TBS/深夜1:55)
ストリートファイトに興じる主人公が殺人の罪を着せられ逮捕されるが、放免の代償に無法地帯と化した「トシマ」で行なわれている殺戮ゲーム「イグラ」に参加することを迫られる──。イケメン主人公に親しげに接する友人が妙にBLっぽいと思ったら、案の定、原作はBL系アダルトゲーム。主人公は見た目クール系なのに無法地帯では別の最強クールキャラが登場し、実は普通キャラ設定という。この感覚のズレはまさしく腐女子向け。現実世界の物語と思いきや、いきなりありえない公権力が登場。虚構世界物としての最低限の説明描写が不足している。周知のファン向けと割り切っているのか。
- 『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』(BS日テレ/深夜3:00)
(→TVK/土曜深夜1:00)
(→MX/火曜深夜2:30)
イイ男と見るや即S○Xのアバズレ"パンティ"と、スイーツ好きの毒舌"ストッキング"。素行不良の2人の堕天使が(落第を免れるため)街にはびこるゴーストを退治する──。初っ端からS○Xだの糞塗れだのとコンセプトは明確。そこかしこに日本アニメ的作画が見え隠れする似非カートゥーンなので、『パワパフ』等本家カートゥーン好きの身には中途半端(一部、動きがFlashアニメ的すぎる)。変身シーンで等身が上がったり、実写爆発したり、カートゥーンごっこを含むなんでもありで作っているんだろうけど。この低俗さを面白がれるなら。
【土曜日】
- 『バクマン』(NHK教育/夕方6:00)
有り体に言えば現代版『まんが道』。とはいえ登場人物らの思考・行動が若すぎるというか作り物くさいというか、今ひとつ感情移入が出来ない。女性キャラの絵柄が江川達也っぽいことも邪さに拍車をかける。全体的に地に足がついてないんだけど原作もこんななのか? ラッキーマンもどきは大場つぐみ=ガモウひろしなので内輪ネタ止まりな印象。この劇中作品は本来、ドラマの土台となるだけの力が必要なのにただのパロディ止まりで残念。
- 『テガミバチ REVERSE』(テレ東/夜11:55)
夜が明けることのない星で、通称"テガミバチ"と呼ばれる国家公務郵便配達員の活躍を描くアニメの第2期。前も書いたけどこの手の設定にハマる人向け。
- 『薄桜鬼 碧血録』(TVK/深夜0:30)
(→MX/月曜深夜1:30)
今年春に放送された新選組アニメの第2期。女性主人公が美形新選組隊士に囲まれる図式で女性向け。
今期はテレ東深夜にU局アニメ系が流れてきた印象。逆に民放深夜アニメの続編がU局に移動したりと、今やテレビ局にとってはアニメはただただ消費するだけの代物になってしまった模様。まあ、テレビ局自身が崩壊してきているのでどうしようもないけど。
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