新生ノイタミナと非実在青少年のこと
2010春アニメ感想で後回しにしたノイタミナ枠について。
今期からノイタミナ枠は1時間に拡大し、30分作品の2階建て放送となりました(木曜深夜0:45~)。とはいえフジテレビ深夜のもうひとつのアニメ枠である「NOISE」はひっそり終了となるため、どちらかといえばフジ深夜アニメのブランドをノイタミナに集約したと見るべきでしょう。
今期開始の作品は以下の2作品。
今期の『さらい屋 五葉』を見るにつけ、『リストランテ~』の系譜としてNOISE枠と併合したと思って間違いないですな。
そんなノイタミナ枠ですが、noitamina(=アニメーションの逆読み)でありながら、来期には実写ドラマ(『もやしもん』)を放送予定。1時間枠にしたのはこういう別方向に企画を広げるためでもあったんでしょう。
正直、そういうのは別枠でやるべきと思いますが、ノイタミナ枠での実写ドラマは「漫画や小説等の原作ありき」というルールでも設けてあれば枠の存在目的は破綻せずに済むでしょうね。オリジナル作品でも映像的な実験作なら許容される気がします。
とりあえず実写第1弾を過去に同枠でアニメ化された作品にすることで違和感を少なくしているのは素直に上手いと思う。このバランス感覚がある限りはノイタミナ枠というブランドが壊れることはなさそうですね。
ちなみに──
初回は今後のラインナップを紹介する30分番組を生放送。その中で現在、東京都が作り出した「非実在青少年」という定義及びその規制について、クリエイター側からの意見を述べるために時間が割かれていました。
この非実在青少年の問題点はそれこそネットに溢れているので詳しくはそちらに譲りますが、単に現行法で取り締まるだけで済む話を、収拾がつかない次元に引き上げようとする愚策以外の何者でもありません。
何をもって非実在青少年とやらを守る線引きとするのかが曖昧で、当初示していた基準で言えば『ドラえもん』さえ引っ掛かる始末。最近、有名どころは対象から外すとしてきましたが、それだと今度は例外対象認定が収拾つきません。
そもそも「非実在青少年を守る」とはどういうことでしょう。実在していないものを守るなど、それこそ現実と漫画の区別がついていないとしか言いようがありません。一休さんのトンチ的に言えば「お役人様、守るために紙面から青少年を追い出して下さい」といったところでしょうか。
今回のことはお役所がやるべきことをやらずにいたことを他所に責任転嫁するために、居もしない存在を作り出したに過ぎません。
確かに18禁紛いの物が成人指定無きまま販売されていることも少なくありませんが、役所はそれをきちんと成人指定にするよう指導し、また業界も売らんがために機能していなかった自主規制を徹底していくことで解決するべきことだと思います。
今期からノイタミナ枠は1時間に拡大し、30分作品の2階建て放送となりました(木曜深夜0:45~)。とはいえフジテレビ深夜のもうひとつのアニメ枠である「NOISE」はひっそり終了となるため、どちらかといえばフジ深夜アニメのブランドをノイタミナに集約したと見るべきでしょう。
今期開始の作品は以下の2作品。
- 『四畳半神話大系』(フジ/木曜深夜0:45)
大学入学後のサークル活動での挫折から鬱屈した青春を送る主人公。同じアパートに住む自称・神という男がヒロインとの縁結び話を持ちかけてくる。それは自分か悪友のどちらかが候補だという。己の中で様々な自己弁護の理由を構築してその胡散臭い話に乗ろうと決意したが……てな初回。アニメーションらしい画作りと小気味いい台詞回しで完成度は高い。いわゆる"リア充"ではない青春っぷりには学生時代を思い出しシンパシーを感じなくもない。とはいえ鬱屈した青春描写にテンプレ以上のものは感じられず、構造的な部分を面白がることは出来ても作品を愛するところまでは届かない。ハマる人はハマると思います。
- 『さらい屋 五葉』(フジ/木曜深夜1:15)
内気な性格で藩から暇を出された主人公が、ひょんなことからかどわかしを生業とする男に用心棒として雇われたことから物語は始まる。キャラ造形や彼らの立ち居振る舞いがどうにも"腐"向けに感じると思ったら、原作は『リストランテ・パラディーゾ』のオノナツメか。納得。私はちょっと肌に合わないのでパス。
今期の『さらい屋 五葉』を見るにつけ、『リストランテ~』の系譜としてNOISE枠と併合したと思って間違いないですな。
そんなノイタミナ枠ですが、noitamina(=アニメーションの逆読み)でありながら、来期には実写ドラマ(『もやしもん』)を放送予定。1時間枠にしたのはこういう別方向に企画を広げるためでもあったんでしょう。
正直、そういうのは別枠でやるべきと思いますが、ノイタミナ枠での実写ドラマは「漫画や小説等の原作ありき」というルールでも設けてあれば枠の存在目的は破綻せずに済むでしょうね。オリジナル作品でも映像的な実験作なら許容される気がします。
とりあえず実写第1弾を過去に同枠でアニメ化された作品にすることで違和感を少なくしているのは素直に上手いと思う。このバランス感覚がある限りはノイタミナ枠というブランドが壊れることはなさそうですね。
ちなみに──
初回は今後のラインナップを紹介する30分番組を生放送。その中で現在、東京都が作り出した「非実在青少年」という定義及びその規制について、クリエイター側からの意見を述べるために時間が割かれていました。
この非実在青少年の問題点はそれこそネットに溢れているので詳しくはそちらに譲りますが、単に現行法で取り締まるだけで済む話を、収拾がつかない次元に引き上げようとする愚策以外の何者でもありません。
何をもって非実在青少年とやらを守る線引きとするのかが曖昧で、当初示していた基準で言えば『ドラえもん』さえ引っ掛かる始末。最近、有名どころは対象から外すとしてきましたが、それだと今度は例外対象認定が収拾つきません。
そもそも「非実在青少年を守る」とはどういうことでしょう。実在していないものを守るなど、それこそ現実と漫画の区別がついていないとしか言いようがありません。一休さんのトンチ的に言えば「お役人様、守るために紙面から青少年を追い出して下さい」といったところでしょうか。
今回のことはお役所がやるべきことをやらずにいたことを他所に責任転嫁するために、居もしない存在を作り出したに過ぎません。
確かに18禁紛いの物が成人指定無きまま販売されていることも少なくありませんが、役所はそれをきちんと成人指定にするよう指導し、また業界も売らんがために機能していなかった自主規制を徹底していくことで解決するべきことだと思います。
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