2010春の新アニメ感想

まず前期で終了した作品では『君に届け』が抜きん出て良かった。始まったときの感想と変わらず、徹頭徹尾、爽やかさがむず痒くも気持ちいい作品でした。2期は皆さんの応援次第と最後のコーナーで言ってたけど絶対お願いしたい。原作に手を出し始めてはみたけど、それだと苦手なタイプの少女漫画の文法が所々にあるので、完全にのめり込めない。それに風早の可愛らしさは浪川大輔の声あってこそだと再確認したから。浪川大輔リスペクトっ。

あとは『とある科学の超電磁砲』が本家『~禁書目録』に負けず劣らず楽しめました。キャラ萌え的には本家越えしてたしね(まあ、スピンオフとしてそもそもそこを抽出した作りになっていたわけだけど)。次はそろそろ禁書目録の新シリーズをお願いしたいです。

では、今期のアニメ初回チェック感想をどうぞ。



【日曜日】
  • 『ザ・ペンギンズ』(NHK教育/朝7:00)
    映画『マダガスカル』のペンギンたちを主役に据えたスピンオフアニメ。動物園が舞台なので米版『バケツでごはん』って感じ。仕方がないけど映画と声が違うのが残念。隊長はアンタッチャブル山崎のイメージが強いので飛田さんだとちょっと細いし脱力感が足りないかな。動物園にキング・ジュリアンはいらん。

  • 『メタルファイト ベイブレード爆』(テレ東/朝8:30)
    第2期。この手の新シリーズの定番、主人公に挑戦しようという勢いだけで出てくる少年キャラが登場する第1話。主人公は化石化した伝説のベイを手に入れようとしていたり、変わらぬ児童向け。

  • 『リルぷりっ』(テレ東/朝9:00)
    おとぎの国の力が衰え、白雪姫の森とシンデレラの城とかぐや姫の屋敷が消えそうになっていた。力を与えるハピネストーンを増やして国を救うため、人間を幸せにして心の光を集めなくてはならない。そこで人間界でプリンセスとなる3人の少女を探すこととなった──って、お供のマスコットが鳥・リス・竜の3匹で、魔法で大人に変身するなど、これで主人公が1人だったら完全にミンキーモモですな。変身後は3人でアイドルユニットを組むのでクリィミーマミか。

    女の子のあまりに素人くさい第一声でちょっと萎えたけどセガ系アニメだからとりあえず我慢我慢。案の定ハロプロ系。キッズ向けゲームとしては「オシャレ魔女ラブandベリー」の後継作品。カードで衣装をコーデするのは変わらないけどお姫様っぽい方向を強めた感じか。他社の後続ゲームが軒並みアニメ等とのコラボものだったことから本作でもメディアミックスを押し進めたといったところでしょうか。私にはちょっとツラい内容なのでターゲットの女の子たちに人気が出ることを祈ってます。

  • 『最強武将伝 三国演義』(テレ東/朝9:30)
    日本の企画会社も関わっているようですが、ほぼ完全な中国製アニメ。作画も垢抜けていません。海外ではウケるかもしれないけど日本ではつらい仕上がり。当初の予定通りNHKによる放送で権威付けでも出来ればイメージも違ったかもしれません。絵コンテのところだけ日本人スタッフ名が並んでいるのはなんなのだろう。ホリプロが関わったせいかTVアニメなのに声の出演は芸能人がズラリ。こりゃ絶対赤字だな。

  • 『GIANT KILLING』(BS2/夜11:00)
    (→BS-hi/日曜朝9:25)
    毎年、降格ギリギリの低迷を続けるサッカーのクラブチームETU。その現状を打破するため、かつてETUでプレイしていた達海猛が監督として舞い戻ることとなったが、彼の破天荒な言動でチームは大きく動くことになる──てな第1話。監督が主人公というのは目新しいけど、破天荒キャラが巻き起こすドラマ自体は王道で、逆に安心して見れる内容ですね。

  • 『WORKING!!』(MX/夜11:00)
    フェミレスを舞台にした日常4コマ原作。学園部活4コマと大差ないキャラ萌えな内容。冒頭、街頭で女の子が通行人に直に声を掛けるバイト勧誘描写のありえなさでゲンナリしてしまった。本作はそこを女の子が一生懸命頑張ってて可愛いとほのぼの見れる人向けということなんでしょうな。

  • 『B型H系』(TVK/深夜0:30)
    エッチに好奇心旺盛な美少女・山田は実は未経験。高校入学と共に平凡で手頃な男として同級生の小須田に処女を捧げようと決めるが……という少年漫画系Hアニメ。エピソードの羅列加減は4コマ原作だからか。H妄想が主のためモノローグが多く、少々ウザく感じる部分も。基本なんだかんだでウブな山田が寸止めする微エロアニメなので同年代の男子が一番楽しめるのではなかろうか。

  • 『一騎当千 XTREME XECUTER』(TVK/深夜1:30)
    (→MX/火曜深夜1:30)
    三国志の英雄たちの魂が宿る女子高生らによる格闘アニメ第4期。一応チェックしたけど、やっぱり好みじゃない。基本はヤンキー漫画だよね。初回冒頭、延々と今までのダイジェストを見せるのは一見さんには意味不明だし、ファンなら必要ないのでは?

  • 『荒川アンダー ザ ブリッジ』(テレ東/深夜1:35)
    「他人に借りを作るな」という家訓を守り生きてきた主人公が溺れかけたところをニノと名乗る少女が助けたことから始まる、荒川の橋の下に暮らす奇妙な人間たちのナンセンスギャグアニメ。個人的な感想は「新房だけど見れる」。目のアップのインサートの多さとかちょっと演出過多だけど、登場人物の少なさからくる会話劇のテンポの良さがいい感じ。

  • 『ケロロ軍曹乙』(テレ東/深夜2:05)
    土曜朝の放送分+1話。OPもあり、ケロロはこっちがメインの放送時間と見るべきか。初回Bパートは「夜のケロロ軍曹」と題して夏美の入浴シーンといった描写が多く、深夜枠に移動した感が強い。子供向けにマイルドになっていったケロロが本来の姿に戻ったとも言えるが。まあ、Aパート=土曜朝分のモアの膝枕もアレだけど。EDを歌うのはコハナか。



【月曜日】
  • 『裏切りは僕の名前を知っている』(TVK/深夜1:15)
    (→MX/水曜深夜1:30)
    養護施設で暮らす主人公の少年は見覚えのない夢を見ていた。それは遥か昔から続く悪魔(デュラス)との戦いの記憶。そこには黒髪に銀色の瞳を持つ見知らぬ男性がいた。そんなある日の夜、暴走したトラックが少年を狙う。その時、助けに現れたのは夢で見た黒髪の男だった──てな第1話。前世の記憶という部分は『ぼくの地球を守って』っぽい。そういえばアチラにも性別が変わったキャラいたっけ。現世では男×男となるわけだ。原作は月刊ASUKAだし美形な悪魔だし、完全に女性向け作品。

  • 『閃光のナイトレイド』(テレ東/深夜1:30)
    (→BSジャパン/日曜深夜0:05)
    1931年の上海を舞台に、特殊能力を持つ者たちで構成される陸軍特務機関の活躍を描く。現地の人間との会話は中国語(+字幕)で描写しているけど、どうにも無理に発音しているようでストレスが溜まる。雰囲気作り以上の意味もないので適度に割り切って日本語でよかろうにとも思うが、そういう雰囲気でコーティングすることを重視した作りなのだろう。それで面白くなればいいけどそう簡単じゃないよね。



【火曜日】
  • 『爆丸バトルブローラーズ ニューヴェストロイア』(テレ東/夜7:00)
    先月から放送中。物語は前作の続き。爆丸たちの世界に異世界の侵略者が現れたことからダンたちは再び戦いへと赴く──。セガトイズ発売の玩具「爆丸」を元に2007年にアニメ化された前作は玩具と共に人気は伸びず1年で終了。ところがアメリカではアニメ・玩具共に人気を獲得し大ヒット。アメリカ用にアニメ第2期が製作され、今回それが逆輸入という形で日本で放送開始。内容は対戦カード系で子供向け。なので私には合わないですが、セガ絡みなだけに日本でも人気が出てくれることを願っております。

  • 『RAINBOW~二舎六房の七人~』(日テレ/深夜0:59)
    昭和30年、様々な理由で少年院に入ることとなった少年6人が二舎六房の先輩・通称アンチャンと出会い、強く人生を生きていく物語。原作は安部譲二。出だしはいい感じ。ハードな展開は続けて見るのに疲れそうではある。『鋼の錬金術師』『獣王星』と聞いてきた小栗旬の声は、本作では台詞が短いからなのか今のところ悪くない。

  • 『けいおん!!』(TBS/深夜1:25)
    !マーク2つの第2期。1期はハマらず切ったけど一応チェック。やっぱりキャラ萌え以上のものは感じない。中身も女子高生観察4コマ以上でも以下でもなし。実像以上にブランドが確立している感じがするけどファンならそれも嬉しかろう。



【木曜日】
  • 『HEROMAN』(テレ東/夕方6:00)
    主人公ジョーイが直した玩具のロボットに雷が当たったことで不思議な力が宿った。玩具は本物のヒーローマンとなり、ジョーイと共に地球外生物と戦っていく──。スパイダーマン等原作のスタン・リーと日本のアニメ制作会社ボンズがタッグを組んだオリジナル作品。スタン・リー原作といっても元になったアメコミがあるわけではなく、スタンの名前で期待するアメコミ成分は稀薄。2話以降、人知れず戦うのかと思いきや大規模侵略展開で先が読めない。ボンズらしく作画は良い。アメリカが舞台でジョックやナードといったあちらの学園階層文化も散見できるので、海の向こうでの評判が気になるところ。ヒロインがチアリーダーをやってても性格がいいのは珍しいぞ(笑)。

  • ※ノイタミナ枠(フジ/深夜0:45)
    今期から1時間枠になるとの事でまた改めて。

  • 『おおきく振りかぶって~夏の大会編~』(TBS/深夜1:25)
    1年生チーム・西浦ナインの活躍を描く第2期。変わらず面白い。キャラデは原作寄りになったのか少し野暮ったくなったかな。今回は1クールしかない分、話のテンポは早めか。とりあえずこのペースで第3期以降も作ってくれればいいのだけど。

  • 『会長はメイド様!』(TBS/深夜1:55)
    男子校の名残りで男子生徒が8割の高校の初の女性生徒会長として奮闘する主人公だが、実は家計のためにメイド喫茶でバイトしている。その秘密を学校一のモテ男に知られてしまい……という少女漫画原作。「学校では隙がない主人公だけど普段は○○」という作りのバリエーション。さらに細かく言えば貧乏バイトキャラのバリエーション。展開自体は定番中の定番。個人的には主人公があまり魅力的に見えない(聞こえない)のが難。

  • 『真・恋姫無双~乙女大乱~』(MX/深夜2:00)
    三国志の登場人物を美少女キャラに置き換えた恋姫無双第3期。キャラ萌え(微エロ)を求める人向けで今回も面白くない。

  • 『カメンライダードラゴンナイト』(テレ朝/深夜2:40)
    特撮作品。『仮面ライダー龍騎』のアメリカ版。私はパワーレンジャー同様、新撮部分の組み込み具合を楽しんでます。設定はミラーワールドじゃなく異世界なのね。吹き替えなのに変身の掛け声が原音ままの「カゥメンライダゥ!」なのは違和感あり。番組最後のインタビュー映像の杉田アテレコは遊びすぎ(笑)。



【金曜日】
  • 『大魔神カノン』(テレ東/深夜1:23)
    特撮作品。大魔神の名を冠してはいるがまったくの別物。『ライオン丸G』のようなリ・イマジン作品と思えば納得……できるかこんなもの。「巫崎カノン。ボーカリストを夢見た彼女は東京の大学に進学し、そこで知り合った男性と付き合い始めた。その恋愛に破れた彼女はこの後、思いもよらない運命の波に飲み込まれていく……」って、主人公の現状をナレーションで済ませないでくれ。主人公のモノローグで語るのも駄目駄目。当の大魔神のデザインも酷い。『仮面ライダー響鬼』のリベンジとばかりの妖怪退治組織描写もライダーという殻がないと魅力は薄い。出来の悪い深夜ドラマの域は出ないかな。

  • 『Angel Beats!』(TBS/深夜2:25)
    (→BS11/土曜夜11:30)
    主人公が目覚めると目の前にはライフルを構える女子高生。彼女はここが死後の世界だと言い、世界秩序を守ろうとする天使に抗い、戦い続けていると語る。記憶を失っている主人公は彼女が束ねる「死んだ世界戦線」に入隊することとなった──というどうでもいい話。この言葉はあまり使いたくないが中二病全開としか言いようがない。絵もどこぞのB級エロゲーみたいで、作画も同レベル。なので今挙げたジャンルが好きな人ならたぶん楽しめると思います。



【土曜日】
  • 『トランスフォーマー アニメイテッド』(テレ東/朝8:00)
    実写映画版を踏まえたトランスフォーマーアニメシリーズ。そのため劇中の名称がサイバトロン→オートボット、デストロン→ディセプティコン、コンボイ→オプティマスプライムだったりして馴染みにくい。やはり国内には国内のTFの歴史があるんだから変えないで欲しかった。デザインラインはあくまでもカートゥーンで中身も海外アニメのそれ。OPだけは日本で作られており、同じデザインのキャラでもカッコイイ。全編これで見たかったなぁ。

  • 『極上!!めちゃモテ委員長セカンドコレクション』(テレ東/朝9:00)
    タイトルに「セカンド~」が付いただけの第2シーズン。相変わらずの3DアニメはTVゲームのデモシーンを延々見せられている気分に。内容もオシャレをあーだこーだ言うだけの話なので私は対象外。1年ぶりに聞く安倍龍太郎の棒加減も特に変化無し(苦笑)。

  • 『ジュエルペットてぃんくる』(テレ東/朝9:30)
    前作『ジュエルペット』の物語はリセットされ、新たにルビーが魔法学園に入学するところから始まる。ルビーは入学試験に失敗するも、ジュエルペットは心がぴったり合うレアレア界(人間界)の女の子とパートナーになった時に力を発揮することから、パートナーを探してきたら合格とすることに。そして人間界で桜あかりという少女と出会う──という第1話。弾けたギャグ要素が無くなり、キャラデや作画も丸っこく、ルビーの性格もただ可愛いものになり、主人公の恋心といった真っ当な少女漫画路線に変わりました。私は前作のルビーというキャラが好きだったので、まったくの別人格になってしまった今作はハマるところがないです。女児向け。

  • 『SDガンダム三国伝』(テレ東/朝10:15)
    三国志をモチーフにしたSDガンダム。かつてのSDガンダムフォース同様の3DCGアニメ。話は善悪がハッキリした子供向け。劇場版ケロロとの同時上映から今度はケロロと同枠でのTV放送か。この30分はケロロの「武者ケロ」回をそのままSDガンダムに置き換えた感じ。バンダイ的には子供にガンプラの裾野を広げたいんだろうな。

  • 『迷い猫オーバーラン!』(BS11/深夜0:00)
    (→MX/火曜夜11:00)
    義理の姉と洋菓子店を営む高校生が主人公。朝起こしにくる幼なじみの女の子は幼い頃のとある事から決して本当の事を言わないツンデレっ娘。2人が通う学園の理事長の娘は何かとちょっかいを出してくる。そんなある日、姉が謎の猫耳少女を拾ってきて……という第1話。この手のアニメにありがちなOPでまず脱力。2次オタ文化を劇中の人物が語る辺りあざとい作りで。主人公のモノローグでキャラ紹介からそれに付随するエピソードまで紹介する序盤の構成はこの手の作品では楽で手堅いのだろう。この手のアニメとしては可もなく不可もない仕上がりなので好きなら。

  • 『薄桜鬼』(TVK/深夜0:30)
    (→MX/火曜深夜2:00)
    行方不明の蘭方医の父を探すため男装して京を訪ねた主人公。何かに取り憑かれたような新選組隊士に襲われていたところを土方歳三に助けられ、そのまま新選組の厄介になる──というイケメンたくさん新選組アニメ。原作は乙女系恋愛ADVゲームのようで納得。ジャンルを越えるほどの面白さはないかな。

  • 『いちばんうしろの大魔王』(TVK/深夜2:30)
    (→MX/金曜深夜1:30)
    ある夜、教会の前に捨てられる赤ん坊。成長したその少年は世界をより良い方向に変革できるよう大司祭になるのが夢で、魔術学院高等部に編入する。ところが編入時の健康診断で行なわれる将来の職業適性審査で「魔王」と言われてしまう……というドタバタコメディ。序盤、クラスメートとなる刀を帯刀する女の子とのやりとりの辺りでは、またぞろありがちな魔法系ライトノベルかとうんざりしたけど、魔王と決めつけられてからの状況の転がり具合がとてもテンポ良くて楽しめた。もう少し見続けてみよう。



今期は特に目立つ作品のないクールかな。U局系ももはや狭いターゲット向けで安定。アニメでどうこうというよりも放送による宣伝効果で原作など他メディアの販促が主になってきている感じ。

最近、キー局でも終日視聴率一桁なんて事態もざらになってきたらしいですが、それって一日の放送内容が家族向けになっていないからだと思う。クイズというより勉強番組だらけといった個々の番組のつまらなさは当然ながら、夕方のアニメ再放送や、ゴールデンタイムのメジャーアニメの無さが視聴者のライフスタイルを変化させたと見るべき。裾野を広げないと地デジ時代はもっと悲惨になるぞ。

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