トリミング

「トリミング」──それはワイドやシネスコで撮られた映画を4:3のテレビ画面に収まるように調整すること。先日、テレビ録画したディスクを整理しているときに改めてそれに気付くことがありました。



それは午後のロードショーで放送された『荒野の用心棒』でのこと。同作は既に何度も同枠のクリント・イーストウッド特集などで放送されてますが、好きな作品の場合、より良い吹替を求めて、ついつい放送される度に録画し選別してしまいます。

先日新たに放送されたものはアバンタイトルが妙にきれいだと思ったらレターボックス(上下に黒枠)で放送されています。

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レターボックス画面

そこで数年前に録画したディスクを引っ張り出し確認すると、以前に放送されたものは画面の左右を圧縮して収める往年のスタイル(功夫映画でよく見るアレ)。

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トリミング画面

ちなみに何故トリミング処理をするかと言えば、昔は小さなTV画面に対してシネスコ画面をレターボックスで映すことはありえず、画面の中央だけを切り取ると文字が欠けて見難い画面になるため。

以前放送されたものは色褪せ、フィルム傷や糸くずなどが目立っており、新たに放送されたものの方が誰が見てもきれいです。おそらくは地デジ放送に合わせてオープニングクレジットだけは文字を見やすくするため16:9画面で作り直したものと思われます(※本編フィルムは同じものを使用)。



吹替音源はもちろん同じ山田康雄バージョンなので、新たに放送された方が綺麗ならそちらを残すところですが、どうにもこの時代のものは以前の方を選びたくなる不思議。だって綺麗な画面ならDVDで簡単に手に入りますし、逆に古式ゆかしいこんな画面はこの先、二度と見れませんからね。

同じ理由で、私はレターボックスよりもテレビサイズが好きなんですが、最近はレターボックスでの放送が増えて淋しい限りです。これからは地デジ化に合わせて16:9放送が普通になっていくんでしょうね。



余談。テレビサイズの場合、単純に左右をカットするだけでなく、中には元々テレビサイズで撮影されたものをレターボックス処理をしてワイド化した作品もあるため、そうした作品では公開された映像ではカットされた画面上下が見えるようになるという逆転現象があります。ただし、元々切ること前提の部分なので映ってはいけないものが見えたりする点はご愛嬌です。

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