ドラえもん 2009年8月

8月7日「のび太の中ののび太」

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のび太の誕生日スペシャルという1話30分回。
全体的に悪くはないけど全体的に凡庸に感じる。

ジャイアンたちがのび太の誕生日の準備を密かに行なっているのが一見して判るのは興醒め。3人ひとまとめではなく、個別にのび太が誕生日アピールして回り、ある程度は本当に誕生日を知らないのだと思わせる見せ方は欲しかった。

のび太が浸る過去の記憶が、過去のドラ映画やTVのエピソードから引用されているので説得力は十分。この辺りは歴史の積み重ねの勝利か。

引き籠る意思の違いはあれど友人による説得は「森は生きている」の回と被る。涙の説得は感動の押し売りで強引。今回はのび太の本意ではない引き蘢りなのだから、どちらかというとのび太を想うからこその怒りの説得の方が合っていた気がする。

帰還用のスイッチを壊す行為は、最後は自分が帰るために必死になっているかのようなひねた見方も出来てしまう(スミマセン)。スイッチはドラに一旦返し、いざ夢に捕われようという時にドラが皆に逃げろとスイッチを渡すがそれを叩き壊して再びのび太の説得に向かうという形にすれば良かったかな。



8月14日「幸せな人魚姫」

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今回めっちゃ面白い! ドラえもんのハッチャけっぷりとか作画もノリノリで、1話30分回なのに昔のドラを見ている気分になった。いつもはシンプルな原作に贅肉ばかり足しているのに今回は見事な肉付けがなされ、ダレるところが無かった。

泣いてしまった幼いベソ子を見て、のび太ママが問答無用にドラえもんを叱るのがいい。大人と子供の世界にはきちんと壁が存在し、だからこそドラえもんは行動を起こすのだ。

途中、人魚姫がドラえもんのことを好きになってしまう「本当に想ってくれる人は身近にいた」展開も楽しい。またもや感動話にしてしまうのかと思いきや、ドラは人魚姫に欲情しつつもあくまでも王子様とのハッピーエンドを作ることに邁進する。わさドラ見直したわ。



8月21日「恋するドラえもん」

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先週のはマグレか、原作のアレンジ具合が凡庸な1話30分回。まあ、この題材だとわさドラなら『男はつらいよ』的なドラマ方向に行っちゃうよね。序盤はドラがもっと盲目的に暴走していた方が最後の身を引くまでの緩急がついたように思う。今のままだといつドラえもんが身を引こうとしたかが分からないし。

スネ夫→最初のプレゼント案
ジャイアン→不良にからまれたところを助ける案
という展開だったので、しずかちゃん案のエピソードもあると全体の構成が良かったかも。野原に連れ出すところをしずかちゃん発案のようにしてもいい気がする。

最後は原作準拠とはいえ飼い猫を失踪させるのは問題あると思うぞ。例えば、飼い主が実は愛情を注いでいないと匂わせる描写があればラストも素直に受け取れるし、ペットを飼う責任ということへの啓蒙にもなったと思う。こういうところこそ改変すればいいのに。



8月28日「ダメ犬、ムク」

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これかなりいい。アニメオリジナルの感動エピソードだったけど素直に楽しめた。10分でまとまっていたのが良かった。たぶんこの話で30分回だったら感動の押し売り演出で引き延ばされていたように思う。最初のピーちゃん捜索シーンやジャイアンが自転車に跨がるところなどアニメらしい作画できびきび動いて気持ちいい。


8月28日「こびとロボットははたらき者!?」

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原作を真っ当にアニメ化していて悪くはない。飛び抜けて良くもないけどこれを標準にして欲しいところ。のび太の寝姿に美学を感じられないのはマイナス。あれでは昼寝の天才とは言えん(笑)。小人ロボットの仕草を少し愛嬌のある雰囲気にしたのは余計なアレンジ。大勢に頼まれた仕事をこなす場面など、ただテキパキ作業するだけの方がのび太の睡眠量を直に感じさせたと思う。

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