2009冬の新アニメ感想

最近、ウチの地デジ環境ではTVKやMXでブロックノイズが日常化し、少しでも天気が悪いとすぐ映らなくなるので、この2局はアナログしか使えない状況となっております。これでアナログ放送が終わったらマジで困るんですが。

今年から民放でも画面右上に常に「アナログ」と表示するようになりましたが、そんな脅迫めいたことはこんな電波状況を改善してからにしてくださいな。そんなわけで今回のU局アニメもTVK(アナログ)>BS11>MX(アナログ)の順で利用しています。

前期で終わった作品をかいつまんで。『魍魎の匣』は詰め込みすぎ。あの言葉遊び演出はきっと原作の持ち味なんでしょうが、映像化にあたっては取捨選択をすべき。『ケメコ』は昨今の原作順守アニメ路線が陥るべくして陥る最終回。ケメコの場合はその状況を逆手に取って本気で投げっぱなしにするというネタに仕立てていましたが、そんな変化球は2度は通用しません。原作を逸脱してほしくないなら1クールアニメなんて作らんといてほしいですね。

では、溜まっていた新番組初回チェックをば。



【日曜日】
  • 『みなみけ おかえり』(テレ東/深夜1:30)
    南家三姉妹の平凡な日常を淡々と描く第3期。私はとうの昔にパスしているのでスミマセン。

  • 『まりあ†ほりっく』(TVK/深夜1:30)
    百合趣味の女子高生が女学院に転校して、出会った可愛い子が実は男で、百合趣味をバラされたくなければ黙っていろと脅迫され、虐げられる生活が始まった──てな話。てっきりまともな百合アニメかと思ったら、百合は単なるネタでしかなく、ギャグのノリとか完全にハーレムアニメの系譜。私は肌に合いません。



【月曜日】
  • 『続・夏目友人帳』(テレ東/深夜1:00)
    妖怪の姿が見える少年が、祖母の遺品にあった妖怪の名が記されている"友人帳"を持ったことで、様々な妖怪たちとの日々が繰り広げられる物語──の第2期。熱烈というわけではないけれど、前作の柔らかい空気感を気に入った私はその変わらぬ作風を楽しんでいます。

  • 『RIDEBACK』(TVK/深夜1:15)
    怪我でバレエの道を絶たれた主人公が大学入学でひょんなことから人型バイクマシン「RIDEBACK」に乗ることに──てな話。SFかと思ったら大学サークル物でした。主人公がかつて得ていた跳ぶ感覚をそのマシンポテンシャルに見いだしていくような展開か。世界観の説明が少々くどい。なんか昔、こんな人型バイクでレースするOVAあったなぁ。確か『デッドヒート』だっけ? VHDで発売されたから本編は見たことないけど。

  • 『宇宙(ソラ)をかける少女』(テレ東/深夜1:30)
    宇宙にクラシカルなゴミが散乱する事件が起きていた頃、主人公の少女は見合い話から逃げて宇宙コロニーの外へ。その時、謎の人工知能コロニーと接触。中に入るとプライドの高い変な人工知能メカと出会い──てな出だし。設定を並べただけの第1話。女性キャラを無闇に出したりと、どうにもあざとさが先に立つ。サンライズ的にはポスト舞-HiMEにでもしたいんだろうな。

  • 『恋姫無双』(TVK/深夜2:15)
    関羽という名の女の子が主人公で、初回では立ち寄った村でのいざこざから張飛という名の幼い女の子と義兄弟の契りを交わして一緒に旅に出たけど、これからOPに山のように出ていた美少女キャラたちと出会って仲間になったり戦ったりすると思われる。中身はどこぞのアニメーション学校の卒業制作レベルの稚拙さ。好きな人はどうぞ。



【火曜日】
  • 『はじめの一歩 New Challenger』(日テレ/深夜1:29)
    言わずもがなのボクシングアニメの第2期。金ローのスペシャルからの続き。キャラデの人は変わってないけど、絵のタッチが微妙に違って感じるのは作監の違いか、デジタル制作のせいか、はたまた今時の原作準拠作画の流れか。メイン声優陣がそのままなのは嬉しい……が、間柴久美だけ謎の声優変更。メレは好きだったけどあの声は無いわ。



【水曜日】
  • 『マリア様がみてる』(TVK/深夜1:15)
    第3期かと思ったらOVAを挟んで第4期シリーズらしい。私は趣味じゃないので見ていません。



【木曜日】
  • 『源氏物語千年紀 Genji』(フジ/深夜0:45)
    ノイタミナ枠。元々は『あさきゆめみし』のアニメ化企画だったものが、源氏物語自体を原作とするオリジナル作品として作られることに。『あさきゆめみし』のアニメ化を楽しみにしていた身としては残念で仕方ない。作品としてはもろ出崎節でそつのない仕上がり。初回は正直面白味はありませんでした。

  • 『明日のよいち!』(TBS/深夜1:29)
    山奥で剣の修行をしていた少年が父に言われ都会での修行に出るが、お世話になる同じ流派の家には美人四姉妹がいて──という、その手の人向けラブコメ。作画はしっかりしているけど、主人公の非文明人っぷりとか、話は王道を通り越して平凡。長女の巨大リボンが浮いていると感じる私には見る資格は無いのでしょう、きっと。

  • 『黒神』(テレ朝/深夜2:40)
    かつてドッペルゲンガーらしき存在による事故で母親を亡くした主人公が出会う謎の少女。彼女の話ではそれは"ドッペルライナー"と呼ばれるもので、同じ容姿をした人間が出会うとその内の2人が死に、残る1人に力が集まるという。そして、主人公の周りの人間も次々と亡くなり──という第1話。この後、主人公はこの謎の少女と"契約"し、戦いに巻き込まれていく展開らしい。よくあるバトル物。



【金曜日】
  • 『鉄腕バーディー DECODE:02』(TVK/深夜1:15)
    前作の最終回直後から始まる第2期。相変わらずOVAみたいな出来だけど、そもそも昨今のU局アニメはDVDの宣伝のために放送しているようなものか。



【土曜日】
  • 『獣の奏者エリン』(NHK教育/夕方6:25)
    『精霊の守り人』の上橋菜穂子原作。子供向け造形のキャラデが道徳的内容を強調して凡庸な印象。暴力描写を抽象的にするのも中途半端。個人的には往年の東映動画的というか平面的なタッチで頭身の低いキャラで見せる方が世界観に合っていると思う。

  • 『VIPER'S CREED』(BS11/夜11:30)
    メガソーマと呼ばれる暴走兵器掃討をビジネスとする会社。そこに雇われた碧眼の男とその担当オペレーターの活躍を描く──でいいのかな。総監督が荒牧伸志なので、80年代OVA作品を今の技術で作った感じ。それにしても公式HPでの監督・神戸洋行の代表作欄は『キスダム』ではいけないのだろうか?

  • 『アキカン!』(BS11/深夜0:00)
    主人公の男子高校生がメロンジュースの缶に口をつけると缶が美少女に変身し──などというもはやどうでもいい話。少女に変身する缶=アキカンは他にも存在し、スチール缶とアルミ缶の戦いが繰り広げられるようだがもはやどうでもいい。

  • 『屍姫 玄』(TVK/深夜0:30)
    第2期。私はもう見ていないのでパス。

  • 『鋼殻のレギオス』(TVK/深夜1:00)
    荒廃した世界でレギオスと呼ばれる自律型移動都市を襲う汚染獣に唯一対抗できるのは特殊能力を持つ武芸者と呼ばれる者たちだけ──という世界。初回、主人公が旅立つところから静かに始めりゃいいのに、時系列がよく判らん戦闘シーンで盛り上げたつもりなのだろうか。物語は軍人育成の学園物が中心なのか。小隊ってサークル活動じゃないだろ。女小隊長のキャラ定まってないし、なんというか全体的にふわふわしてる。いかにもなライトノベル作品。

  • 『ドルアーガの塔~the Sword of URUK~』(TVK/深夜1:30)
    前期で切ったのでもういいや。あ、OP、なんか聞いたことあるなぁと思ったら、そういや優ちゃんだっけ。サクサカーでなけりゃナンジャコリャ呼ばわりするトコでした。

  • 『WHITE ALBUM』(TVK/深夜2:00)
    1986年を舞台にした、大学生である主人公と現役女子大生アイドルとの恋愛模様。登場人物に誰一人として感情移入できないし、小手先のテクニックで見せる演出に拒否反応。何かと画面に入る文章の自己陶酔さにゲンナリ。どうやらそれがこの作品の持ち味のようなのでお好きな人はどうぞ。私はもう勘弁。



ゴールデンタイムからアニメが消えていく時代では、お金を出す固定客向けの作りが増えるのは仕方のないこととはいえ、最近の絵作り優先の雰囲気アニメは見ていて飽きます。まあ、私は見なくなるだけだからいいですけど、どうも縮小再生産に拍車がかかっている感じがして日本アニメの行く末を心配しちゃいますな。

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