2007秋の新アニメ感想追記

前回の記事以降に始まったアニメの感想+αを。



  • 『げんしけん2』(TVK/水曜深夜1:15)
    大学の「現代視覚文化研究会」略して「現視研」を舞台にしたオタク青春物語。ぶっちゃけ漫研を想像すれば問題なし。前シリーズ見てないけどちょっと見てみたら……あぁ、なるほど。オタクの生態描写アニメですね。ノリは分かるけど私はもはやついていけないなぁ。

  • 『もやしもん』(フジ/木曜深夜0:45)
    何故か菌が肉眼で見える主人公。その能力による農大農学部でのドタバタ青春物語。菌の姿はデフォルメキャラとして認識されていてかわいらしい。菌描写はアクセントに普通の大学青春ドラマとして面白い。

  • 『しおんの王』(フジ/土曜深夜2:15)
    7年前に両親を殺されて以来、声を失った少女・紫音。親しくしていたプロ棋士の家の養女となり、幼いながらも女流棋士を目指すが、かつての事件の影が再び彼女の周りに忍び寄る……てな話。両親が殺された事件にも何かしら将棋が絡んでいるようだけど、どうも将棋の世界を舞台にしている意義を感じないのが難。将棋シーンが面白くない。『ヒカルの碁』のように門外漢ですら面白いと思わせるだけのものを見せてくれれば印象もまた違うと思うんですけどね。



さて──

数話観ての『機動戦士ガンダム00』(TBS/夕方6:00)について少々。初回チェック時にも感じたように「非ガンダムのロボットSF」としてなら面白いかどうかは置いといて成立してますかね。

ただ「第三者の立場で戦争に武力介入する」というネタが、2話目で「憎しみが私たち(ソレスタルビーイング)に向けられるまで」などと、いきなり底を見せてしまうのはどうなんだろう。

これって言わば藤子・F・不二雄の短編SF『イヤなイヤなイヤな奴』の憎まれ屋でしょ。共通の敵を前にすればいがみ合っていた者同士に連帯感が生まれるという。まあ、その"理想"が実現するかどうかを見どころにしているのかもしれませんが。

戦争に直接関わらない人たちの描写を含め、本作は海外ドラマのような群像劇にしているようですが、だったらソレスタルビーイング側のドラマは物語後半まで封印してはどうだったろう。



どうにも物語の中でガンダムという存在が妙に浮いてしまっているので、ガンダムという意匠の利用として「正体不明の圧倒的な力」として登場させてしまうのも手だったと思う。

そうすれば、国家や人々のリアクションに注力したドラマが中心となり、今感じているガンダムらしくなさも良い方に機能したのではなかろうか。

結局、最初に太陽光発電+軌道エレベーターによるエネルギー供給で成立している世界情勢というものが「設定を見せてハイ終わり」というレベルで物語を始めてしまっているのが元凶で。

今さら言っても仕方ないことだけど、まずはソレスタルビーイング視点ではなく脇の普通の人たちのドラマを積み重ねて世界観を伝えるところから始め、刹那にしても最初は沙慈のお隣さんとして登場させ、後々、コクピットに座る姿を見せるとかすれば効果的だったと思います。

脇道的エピソードの5話目が話としては唯一成立していたけれど、それもさもありなんといったところでしょう。



今回揃えたスタッフの面子からも見えるように、本作は従来のガンダム縛りからの脱却を目論んでいるのでしょうから、そのぐらいの振り幅は必要かと。現状では良いトコ取りをして中途半端になった面白味に欠ける作品と評せざるを得ませんね。

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