第29回日本アカデミー賞
●第29回日本アカデミー賞
最優秀作品賞:
最優秀監督賞:
最優秀主演男優賞:
最優秀主演女優賞:
最優秀助演男優賞:
最優秀助演女優賞:
新人俳優賞:
話題賞俳優部門:
最優秀脚本賞:
協会栄誉賞:
最優秀外国作品賞:
……酷いなぁ。
この日本アカデミー賞というものは映画関係者4407名の会員投票で決定する賞です。この前提は頭に入れておいて下さい。
監督賞のプレゼンターは昨年同賞を獲った崔洋一。
発表の前の一言
「実は監督は一人では何もできないと言いますか、皆の映画を作ろうというエネルギーの求心力、中心そのものなんですけど、やはり、えー……会社の企画とお金! スタッフ! そしてキャストの皆さんの力があって出来る仕事だと思っております」
最初にこの発言を聞いた時は「コイツ日和りやがった」と思いましたが、しかしこの後、監督賞ばかりか作品賞も井筒監督を無視した結果を見た後に振り返ってみれば、おそらく結果を知っていた崔監督が大手映画会社に対して精一杯込めた皮肉の言葉にも聞こえます。発表時のあの苦渋に満ちた笑顔から推察するにこっちでしょ、きっと。
監督賞を逃した井筒監督のアップを捉えて進行の2人が、
羽鳥:「井筒監督のこの表情」
坂上:「ちょっと悔しいかな?」
とコメントしてましたが、あの表情は賞を獲れなかったことではなく、相変わらず変わっていない日本映画界(を仕切る連中)の体質への失望だと思いますよ。
まあ、監督賞発表前に坂上みきは「個人的にはこの方(井筒監督)に差し上げて欲しい」と語っていたので裏事情はわかっていながらもなんとか言葉にしたって感じではありましたが。
しかし、まさかでしたね。
監督賞が井筒監督ではなく、他部門も『ALWAYS』一色となっていたので、こりゃ「作品賞は獲らせてやるがそれだけだ。日本映画界としては今年は『ALWAYS』の年なんだぞ」という大手映画会社の重鎮連中の声が私には聞こえてたんですが、最終的には「誰がお前なんかに賞をやるか」「優秀賞を与えただけでもありがたく思え」という声が聞こえてくるとは思いもよりませんでした(上記の他に優秀脚本賞)。
笑顔で受賞している方々が空々しく見え。
所詮は雇われの身、ということか。
勝地涼なんぞを新人賞にノミネートするくらいなら『パッチギ!』の朝鮮高校の不良3人組を入れるべきだとか、主演・助演に誰1人として入ってない違和感など言いたいことは腐るほどあるが、「ブルーリボン賞」作品賞、「キネマ旬報」日本映画ベストワン、「日刊スポーツ映画大賞」作品賞、「毎日映画賞」大賞、「ゴールデンアロー賞」映画賞etcetc……『パッチギ!』観た人なら分かるよね。
とはいえ私は『ALWAYS』未見なので今現在歯切れが悪いですが、ビデオになったらレンタルで絶対に観て確認しますわ。しかし、あの手の作品て私の想像以下にはなっても以上にはならないのが常なのですが。
最優秀作品賞:
- 『ALWAYS三丁目の夕日』
最優秀監督賞:
- 山崎 貴(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 井筒和幸(『パッチギ!』)
- 黒土三男(『蝉しぐれ』)
- 阪本順治(『亡国のイージス』)
- 行定 勲(『北の零年』)
最優秀主演男優賞:
- 吉岡秀隆(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 市川染五郎(『蝉しぐれ』)
- 真田広之(『亡国のイージス』)
- 妻夫木聡(『春の雪』)
- ユースケ・サンタマリア(『交渉人真下正義』)
最優秀主演女優賞:
- 吉永小百合(『北の零年』)
- 木村佳乃(『蝉しぐれ』)
- 小雪(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 竹内結子(『春の雪』)
- 中島美嘉(『NANA』)
最優秀助演男優賞:
- 堤 真一(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 香川照之(『北の零年』)
- 寺島 進(『交渉人真下正義』)
- 豊川悦司(『北の零年』)
- 中井貴一(『亡国のイージス』)
最優秀助演女優賞:
- 薬師丸ひろ子(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 大楠道代(『春の雪』)
- 石田ゆり子(『北の零年』)
- 石原さとみ(『北の零年』)
- 寺島しのぶ(『tokyo tower』)
新人俳優賞:
- 勝地 涼(『亡国のイージス』)
- 神木隆之助(『妖怪大戦争』)
- 塩谷 瞬(『パッチギ!』)
- 沢尻エリカ(『パッチギ!』)
- 中島美嘉(『NANA』)
- 堀北真希(『ALWAYS三丁目の夕日』)
話題賞俳優部門:
- 沢尻エリカ
- 『NANA』
最優秀脚本賞:
- 山崎 貴
- 古沢良太(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 上條安里(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 柴崎幸三(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 水野研一(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 鶴巻 仁(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 宮島竜治(『ALWAYS三丁目の夕日』)
- 佐藤直紀(『ALWAYS三丁目の夕日』)
協会栄誉賞:
- 森 光子(俳優)
- 石井輝男(監督)
- 岡本喜八(監督)
- 高村倉太郎(撮影)
- 野村芳太郎(監督)
- 松村達雄(俳優)
- (株)円谷プロダクション(ウルトラマン)
- (株)東映テレビプロダクション(仮面ライダー)
- 西尾 昇(光学録音)
- 李 凰宇(プロデューサー)
最優秀外国作品賞:
- 『ミリオンダラー・ベイビー』
……酷いなぁ。
この日本アカデミー賞というものは映画関係者4407名の会員投票で決定する賞です。この前提は頭に入れておいて下さい。
監督賞のプレゼンターは昨年同賞を獲った崔洋一。
発表の前の一言
「実は監督は一人では何もできないと言いますか、皆の映画を作ろうというエネルギーの求心力、中心そのものなんですけど、やはり、えー……会社の企画とお金! スタッフ! そしてキャストの皆さんの力があって出来る仕事だと思っております」
最初にこの発言を聞いた時は「コイツ日和りやがった」と思いましたが、しかしこの後、監督賞ばかりか作品賞も井筒監督を無視した結果を見た後に振り返ってみれば、おそらく結果を知っていた崔監督が大手映画会社に対して精一杯込めた皮肉の言葉にも聞こえます。発表時のあの苦渋に満ちた笑顔から推察するにこっちでしょ、きっと。
監督賞を逃した井筒監督のアップを捉えて進行の2人が、
羽鳥:「井筒監督のこの表情」
坂上:「ちょっと悔しいかな?」
とコメントしてましたが、あの表情は賞を獲れなかったことではなく、相変わらず変わっていない日本映画界(を仕切る連中)の体質への失望だと思いますよ。
まあ、監督賞発表前に坂上みきは「個人的にはこの方(井筒監督)に差し上げて欲しい」と語っていたので裏事情はわかっていながらもなんとか言葉にしたって感じではありましたが。
しかし、まさかでしたね。
監督賞が井筒監督ではなく、他部門も『ALWAYS』一色となっていたので、こりゃ「作品賞は獲らせてやるがそれだけだ。日本映画界としては今年は『ALWAYS』の年なんだぞ」という大手映画会社の重鎮連中の声が私には聞こえてたんですが、最終的には「誰がお前なんかに賞をやるか」「優秀賞を与えただけでもありがたく思え」という声が聞こえてくるとは思いもよりませんでした(上記の他に優秀脚本賞)。
笑顔で受賞している方々が空々しく見え。
所詮は雇われの身、ということか。
勝地涼なんぞを新人賞にノミネートするくらいなら『パッチギ!』の朝鮮高校の不良3人組を入れるべきだとか、主演・助演に誰1人として入ってない違和感など言いたいことは腐るほどあるが、「ブルーリボン賞」作品賞、「キネマ旬報」日本映画ベストワン、「日刊スポーツ映画大賞」作品賞、「毎日映画賞」大賞、「ゴールデンアロー賞」映画賞etcetc……『パッチギ!』観た人なら分かるよね。
とはいえ私は『ALWAYS』未見なので今現在歯切れが悪いですが、ビデオになったらレンタルで絶対に観て確認しますわ。しかし、あの手の作品て私の想像以下にはなっても以上にはならないのが常なのですが。
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