コラテラル

●コラテラル

監督:
  • マイケル・マン(『ヒート』)
出演:
  • トム・クルーズ(『ラストサムライ』)
  • ジェイミー・フォックス(『アリ』)
  • ジェイダ・ビンケット=スミス(『マトリックス・レボリューションズ』)
  • マーク・ラファロ(『イン・ザ・カット』)



マックスはロスのタクシー運転手。その日もいつもと変わらない1日だった……1人の男を乗せるまでは。その男・ヴィンセントは一晩のドライバーをしてくれればチップをはずむと言う。会社設立資金を稼ぎたいマックスは了承し、その場でヴィンセントの帰りを待っていた。その時、タクシーの屋根に死体が落ちてきた……。


全体がまったりしてるなぁ。
内容は無いわ、間は無駄に長いわ。

冒頭、トム・クルーズが空港で鞄を交換する場面は全く必要なし。どう考えても主人公のタクシー運転手の日常で始まって、そこに客としてトム君が登場した方が緊張感が出るでしょうに。スター扱いの完全な弊害。

いや、そもそも死体が落ちてきた時点でタクシーの客が殺し屋なのだと観客が知ってこその話であって、つまりはトム君自体がミスキャスト。

元からトム君じゃ冷酷な殺し屋にまるで見えないし。トム君は冷酷な中にもウィットな側面を見せる人物を演じたつもりのようですが、ただの2流の殺し屋にしか見えませんて。演技力的に無理なんだからせめて冷酷に徹すればいいのに。



それにしても、どうにも画面に締まりがない。

本作ではロスの夜景をそのまま映そうと全体の80%を高感度のデジタルカメラで撮影。映像的にはその効果が出てなくもなかったですが、どっちかってーと、通常のフィルム撮影と比べておそらく簡易な撮影スタイルにしたかっただけじゃないの~?なんて穿った見方をしちゃいますな。やっつけ仕事で済ませたろ、マイケル・マン。

地下鉄で死んでいると気付かれない男の話は全く意味なし。まさか伏線のつもりか。つーかオチになってないし。

道中、タクシー強盗連中を軽く撃ち殺すトム君のさまにならなさ。相手の倒れ方は安いC級映画並で見てて痛くない。

中盤のクラブでの大銃撃戦も間延びの極地。そもそも殺し屋が堂々と正面から狙うか? だったら、せめて他の客に流れ弾が当たって地獄絵図になるぐらいしてくれ。

クライマックスのノリはまるで別の映画(某自腹コーナーでの例え、"ターミネーター"は実に的を得てますな)。



何ら社会の暗部を切り取ることもなく、単なるサスペンスアクションに終始している大凡作。

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