火山高

●火山高

監督:
  • キム・テギュン
音楽監督:
  • DAITA(元SIAM SHADE)
出演:
  • チャン・ピョク
  • シン・ミナ
  • キム・スロ(『反則王』)
  • ホ・ジュノ(『リベラ・メ』)



高校生キム・ギョンスは8度の退学処分を食らった男。最後の卒業のチャンスと足を踏み入れた《火山高》だったが、そこでは「手にした者は乱世の覇者となれる」と言われる秘伝書《師備忘録》を巡って生徒たちの覇権争いが繰り広げられていた……。


いや~、面白い! 正に日本のマンガやアニメを実写で撮りきったような痛快韓国映画。

本作を観た方は何かしらの日本のマンガ作品を思い浮かべたことと思います。学園を舞台にしたバトル的な作風は日本では一般的。ちなみに私は『俺はジュウベイ!』でした(主人公も同じ電撃系の技ですし)。あと『炎の転校生』とかも。

そもそも本作は学ラン文化圏だけの共通感覚で成立している部分も大きいでしょうね。部活=派閥なんてノリも欧米のクラブでは意味合いが変わってしまうでしょうし。

また、登場人物らの格闘能力を宣伝では「超能力バトル」と銘打っていましたが、我々マンガ世代(笑)は、もっと身体能力の延長線上にある特殊能力的に理解しているので違和感バリバリです(まあ劇中では「気」扱いなので宣伝側の問題ですが)。

演出的には監督は日本製のアニメが参考になったと語っていますが、物語の見せ方もかなりアニメっぽいです(日本公開版はかなり手が加えられているのでそのせいもあるかもしれませんけど)。

「物語の流れが悪い」と言われているようですが、確かに映画としてみれば弱いのも分かります。しかし、アニメ的な構成に馴れた若い世代なら全く問題なく観れると思いますよ。



一番キタのが最後、《学園鎮圧教師五人衆》との校庭バトルで重量挙げ部主将チャン・リャンが飛び込んでくるトコロ。

もうカッコ良すぎだぜ、お前!ってな感じで、この映画で一番キャラが立ってます。マンガでよく見る、主人公と最初に戦う大男のライバルキャラで、その後、主人公のピンチとかに現れて「いいトコあるじゃねぇか」なんて言われて「うるせぇ」と言いながらも頬を赤らめる……正にそんな奴です。



ちょっと物足りなかったのが主人公が最後に教師を倒す技がアッサリしていたこと。

出来れば「教師の回りに挙がる水柱。「甘い!」とばかりに教師が全ての水柱を吹き飛ばす。その吹き飛ぶ水柱の向こうから拳を突き出し突進してくる主人公。その拳が教師の体を捉える!」……てなノリが欲しかったですね。

でもそんなことは些細なこと。燃えます!

★★★★

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