アウトライブ

●アウトライブ

監督/脚本:
  • キム・ヨンジュン
出演:
  • シン・ヒョンジュン
  • キム・ヒソン
  • チョン・ジニョン(韓国版『リング』)
  • キム・スロ(『火山高』)



時は1343年、元朝末期の中国。モンゴル族、漢民族、高麗族が入り乱れていた戦国の世を舞台に、運命に翻弄される高麗人のジナとモンゴル人のソルリの愛の行方を描く……。


お話としては「対立する立場にいる2人の禁じられた愛」という『ロミオ&ジュリエット』系の王道パターン。韓国の人気漫画の映画化とのことですが……う~ん、イマイチでした。NHK大河ドラマを2時間のダイジェスト版で見せられた感じ。



冒頭、いきなり主人公ジナが幼い頃の回想に入ってしまう構成は登場人物への感情移入の妨げ以外の何者でもありません。その回想は2人が成長した姿になっても続くため、何故、回想という手段にしたのか疑問です。

回想が終わり、ジナとソルリが再会して以降はなんとかドラマになった感もありますが、やはり内容に対して時間が足りなすぎです。とはいえ上映時間が3時間超とかになったら、それはそれで困りものですけど。

聞くと原作は3年に渡って連載された作品とのことで、それなら劇中要素の煩雑さも納得です。映画化の際に端折った設定も多い様ですが、あの仕上がりではまだまだ切り捨てが足りないと思います。もっと要素の凝縮をしないと。

(こういう時に私が必ず引き合いに出すのが劇場版『エースをねらえ!』。あれが映画だと思っていますので)

そういう意味では、最初から登場人物の把握が出来ている原作ファン向け作品と言えるかもしれません(まあ、現地のファンでも賛否両論の様ですけど)。



予告を見た当初は久々に往年のスタイルの香港映画が作られたんだなぁなどと思ってましたが、韓国映画と知ってビックリ。でも、香港のアクションチームが参加しているそうなのでそう感じたのも当然か。

それにしても私は主人公をかっこいいとは思えなかったのですが、ああいう顔が韓国ではかっこいいのでしょうか。私には新庄のモノマネをする神奈月にしか見えなかったもので……ファンの方、スイマセン。



レンタルビデオで十分な出来かと。原作漫画(『飛天舞』)は日本でも出版されているそうなので、作品自体に興味を持ったのなら、そちらを読んでみるのもいいかもしれませんね。

★★

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック