妖怪大戦争

●妖怪大戦争

監督:
  • 三池崇史(『ゼブラーマン』)
出演:
  • 神木隆之介(『ハウルの動く城』)
  • 高橋真唯(『スカイハイ2』)
  • 豊川悦司(『丹下左膳 百万両の壺』)
  • 栗山千明(『キル・ビル』)
  • 宮迫博之(『CASSHERN』)
  • 阿部サダヲ(『タイガー&ドラゴン』)
  • 岡村隆史(『無問題2』)



10歳になるタダシは両親の離婚で祖父のいる田舎に引っ越してきた少年。ちょっと弱虫でいじめられっ子。そんなタダシが神社の祭りで《麒麟送子》に選ばれてしまった。「麒麟送子は世界に平和をもたらす正義の味方。大天狗が守る伝説の聖剣を取りに山の洞窟に行かなくてはならない」のだという。勇気を振り絞って山に向かうが……。


楽しめました。
少年のひと夏の冒険譚。
まさに夏休み映画に相応しい中身に満足満足。

妖怪は戦わない。でも大戦争。

妖怪とは人間なのだというコンセプトには頷きます。いわゆる幽霊的な人外の存在ではない。あくまでも物質として存在する者で、単に人里から離れて生きている生き物にすぎないという捉え方は私が思い描いていた妖怪像そのものなので、作品世界に入りやすかったです。

妖怪は戦わない。けど解決。

悪は圧倒的に戦闘力を持ち、主人公らに襲いかかってきます。しかし、妖怪たちは普通の人間。戦闘力なんかあるはずもない。得意なことが1つあるだけ。でもその行動が問題を解決してしまう。そんなゆる~い映画。



無論、主人公の少年は選ばれし勇者として頑張るハメになるんだけれど、彼と共にお供の妖怪が戦ったりなどはしない。監督は、少年が力を得て(成長して)ボスキャラを退治するような映画にはしたくなかったとのこと。実に的を射た思いです。

確かに最近のジャ○プ系漫画のようなご都合主義的な成長なんて簡単に出来るわけがない。それに現実には成長したようでも意外と同じ階段を行ったり来たりしてるもんで。成長ではない、身の丈からのちょっとした背伸び、その頑張りが少年を成長させる糧になる、そういう映画。

主人公の少年目線で観れないほどに大人になってしまった方でも、幼き日に妖怪に出会ったことが忘れられない雑誌記者目線があるから多分大丈夫。ちょっとHだし(笑)。

キーマンは小豆洗い(演:岡村隆史)。最後の「小豆の唄」には大笑いさせてもらいましたよ。阿呆やなぁ(笑)。



エピローグはちょっとしんみり。私も忘れてしまった出会いがあったのかもしれないのかなぁ、なんて思ったりして。そういや、たまに足に何かが触れているような……。

別に一生懸命に薦める気もないけど、前述の「ひと夏の冒険譚」というキーワードに惹かれるなら観て損はなし。
ゆるゆる~と見て見て~って感じ。

★★★

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