あずみ
●あずみ
監督:
ふ~、やっと観ましたよ。本作は劇場で観そびれたままにしてたんですが『2』が公開間近だし『ゴジラFINALWARS』の余勢で北村龍平監督作として観る気になったという次第。
結論。イマイチ。
期待の200人斬りも全然斬ってないし。ガッカリ。
長い。無駄に長い。エピソードは羅列されているに過ぎず、登場人物らの感情を紡ぎ出すなんて皆無。この内容だったら90分もあれば十分でしょ。でも、実際90分にまとめたとしても、ちょっとテンポが良くなるだけで今の出来以上にはならないと思うので、やはり2時間超のまま中身を変える方向で考えるべきでしょうね。
序盤、仲間と斬り合うまでが短すぎ。ここでの共同生活で仲間との絆を丹念に描かずして、その後のあずみの心を描けるはずもない。おそらく監督はさっさと本編に話を進めることを良しとするスタイルなんでしょうな。ただのアクション映画監督。
あ~、これが北村監督の"地"なのね。画は作れるけど感情は作れないタイプ。まあ確かにハリウッドなら注目するよね。こういう人はゴジラのような枷があった方が上手くいくというのが私の持論なんですけど、まさにその典型ですな。
中盤の刺客たちは弱い割にキャラを付けて時間を割きすぎ。きっと原作からああいったキャラなんでしょうけど、だったらそうした人間たちとの関わりがあずみたちの心にどう影響していくかを描写しなくちゃ、単にキャラクターを消化しているにすぎません。
死んだ仲間たちがあずみの周りに立つラストカットの意図も理解は出来るけど、そこに至るまでの登場人物らの感情が表現出来てないのでは薄っぺらく感じるのみ。
だったら……「あずみ1人を横から捉える構図。そこに仲間たちがあずみの脇に歩み寄ってくる。カットが切り替わり、あずみの後ろ姿を捉える引きの画。そこでは1人で佇むあずみ」……なんて真逆のノリの方がマシ。
上戸彩は一女優としては頑張ってたと思います。ひと昔前のアイドル主演映画のようなボロさは無かったです。でもやはり「頑張ってる」以上の評価は無いですね。『マトリックス』におけるキアヌレベル。頑張ってる姿を褒めるのは学芸会止まり。でもこれは人間を描けない監督の責任。
勿体ないのが、敵の《美女丸》が《ひゅうが》をいたぶるように斬りつけるのを見ていられずに、思わず敵の《飛猿》が横から飛び込んでひゅうがにとどめをさす場面。ひゅうがの手足を1本1本斬り落としていくぐらいしてくれないと飛猿の行動に合点がいきませんて。ま、そんなことしたら映倫に引っかかるから無理か。
アクション部分のCG処理も切った貼ったしてるなぁと感じるだけ。物語を紡ぎ出す"映画"ではなく、そういう"物"を観たいならどうぞとしか言えない作品。まあ、レンタル代程度なら怒らずに済むかな?
監督:
- 北村龍平(『スカイ・ハイ』)
- 上戸彩(『エースをねらえ!』)
- 小橋賢児(『スワロウテイル』)
- 金子貴俊(『ウォーターボーイズ』)
- 成宮寛貴(『ごくせん』)
- 石垣佑磨(『ごくせん』)
- 小栗旬(『ごくせん』)
- オダギリジョー(『仮面ライダークウガ』)
- 北村一輝(『ゴジラ FINAL WARS』)
- 原田芳雄 竹中直人
- 伊武雅刀
ふ~、やっと観ましたよ。本作は劇場で観そびれたままにしてたんですが『2』が公開間近だし『ゴジラFINALWARS』の余勢で北村龍平監督作として観る気になったという次第。
結論。イマイチ。
期待の200人斬りも全然斬ってないし。ガッカリ。
長い。無駄に長い。エピソードは羅列されているに過ぎず、登場人物らの感情を紡ぎ出すなんて皆無。この内容だったら90分もあれば十分でしょ。でも、実際90分にまとめたとしても、ちょっとテンポが良くなるだけで今の出来以上にはならないと思うので、やはり2時間超のまま中身を変える方向で考えるべきでしょうね。
序盤、仲間と斬り合うまでが短すぎ。ここでの共同生活で仲間との絆を丹念に描かずして、その後のあずみの心を描けるはずもない。おそらく監督はさっさと本編に話を進めることを良しとするスタイルなんでしょうな。ただのアクション映画監督。
あ~、これが北村監督の"地"なのね。画は作れるけど感情は作れないタイプ。まあ確かにハリウッドなら注目するよね。こういう人はゴジラのような枷があった方が上手くいくというのが私の持論なんですけど、まさにその典型ですな。
中盤の刺客たちは弱い割にキャラを付けて時間を割きすぎ。きっと原作からああいったキャラなんでしょうけど、だったらそうした人間たちとの関わりがあずみたちの心にどう影響していくかを描写しなくちゃ、単にキャラクターを消化しているにすぎません。
死んだ仲間たちがあずみの周りに立つラストカットの意図も理解は出来るけど、そこに至るまでの登場人物らの感情が表現出来てないのでは薄っぺらく感じるのみ。
だったら……「あずみ1人を横から捉える構図。そこに仲間たちがあずみの脇に歩み寄ってくる。カットが切り替わり、あずみの後ろ姿を捉える引きの画。そこでは1人で佇むあずみ」……なんて真逆のノリの方がマシ。
上戸彩は一女優としては頑張ってたと思います。ひと昔前のアイドル主演映画のようなボロさは無かったです。でもやはり「頑張ってる」以上の評価は無いですね。『マトリックス』におけるキアヌレベル。頑張ってる姿を褒めるのは学芸会止まり。でもこれは人間を描けない監督の責任。
勿体ないのが、敵の《美女丸》が《ひゅうが》をいたぶるように斬りつけるのを見ていられずに、思わず敵の《飛猿》が横から飛び込んでひゅうがにとどめをさす場面。ひゅうがの手足を1本1本斬り落としていくぐらいしてくれないと飛猿の行動に合点がいきませんて。ま、そんなことしたら映倫に引っかかるから無理か。
アクション部分のCG処理も切った貼ったしてるなぁと感じるだけ。物語を紡ぎ出す"映画"ではなく、そういう"物"を観たいならどうぞとしか言えない作品。まあ、レンタル代程度なら怒らずに済むかな?
★★
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